2023年2月24日、DRONE FUNDは、Marine Drone(水上ドローン)の開発を通じて水上の課題解決を目指すスタートアップの炎重工に、3号ファンド(DRONE FUND3号投資事業有限責任組合)から出資を実行したことを発表した。

 Marine Droneは、ユーザーの使用用途に応じたカスタマイズが可能な、ミニボートサイズの遠隔操作・自動運転型ロボット。船体サイズは3m×3m以下、出力は2馬力以下と、現在の法令下で無人航行が可能なミニボートサイズに特化した製品開発を行うことで、ユーザーが使用する際の手間や複雑さを軽減している。

 養殖業における給餌を自動化するロボットや、人を乗せて水上を移動できる海床ロボット、密漁対策の監視船ロボットなどをはじめ、幅広い分野での利用を想定している。水上および船舶業界において人力で行っていた作業をMarine Droneが代替することにより、人手不足や重労働などのさまざまな課題解決への貢献が期待される。

各社コメント

炎重工 代表取締役 古澤洋将氏

「水辺で働く人、水辺で遊ぶ人をもっと笑顔に」

 当社は、国産の遠隔操作・自動運転船舶ロボット「Marine Drone」(水上ドローン)を開発しています。

「Marine Drone」は、ミニボート等の法令に準拠しており、導入にあたっては船舶免許や船舶検査が不要で、どなたでもお使いになれます。最大12名程度が乗船(最大積載量1.5トン)できる大きなものから、持ち運びができる小さなものまでご用意しております。バッテリと電動モータを用いているため、動作音はとても静かで小回りが利き、環境にも優しいシステムです。

 「Marine Drone」は、使う人や場所・目的に合わせて幅広い展開が可能です。例えば、水産養殖での自動給餌・港湾設備や密漁の監視などの警備警戒・インフラのメンテナンスといった水辺で働く人たちをサポートするものから、カフェ・レストランの水上移動屋台や水上コンサートなどエンターテインメントを楽しむ空間づくりといった水辺を楽しむ人たちも応援します。今回調達した資金は、「Marine Drone」の製品開発、組織体制の強化に充て、事業成長を加速させていきます。

DRONE FUND 共同代表 大前創希氏

 実際に海床ロボット(Marine Droneの一製品)に乗船した際に、非常にスムーズかつ直感的な移動をすることに驚き、フィールドでの活躍への期待が高まりました。

 一般的に水上ドローンは、空中を舞台に活躍するドローンに比べ、重力に反した動きをしないため、エネルギー効率に優れております。また、現行の法令下で実装可能なサイズでの展開を行っていることから、スピーディーなプロダクト導入が期待される点に魅力を感じ、投資の意思決定をいたしました。陸・海・空、全てのフィールドで、ドローンやロボットが活躍できる未来に向けて、炎重工社の支援を進めていきます。