炎重工は2025年日本国際博覧会協会(以下、博覧会協会)と大阪商工会議所が主催する、「2025年大阪・関西万博の会場予定地である夢洲における実証実験の提案公募」に採択された。同社は水上作業の自動化、効率化を目的に開発した純国産水上ドローン「Marine Drone」を使い、"都市型自動運転船「海床ロボット」による都市の水辺のイノベーション実証実験"に取り組む。

 この共同プロジェクトは竹中工務店を代表法人となり、東京海洋大学海洋工学部清水研究室、IHI、水辺総研、新木場海床プロジェクト、ウォーター・スマート・レジリエンス研究協会、同社が共同参加法人として参画する。

 水上ドローンであるMarine Droneは作業の目的に応じたさまざまな機器と連携することが可能。水上作業の自動化や効率化、安全性の向上に貢献する。昨今の情報セキュリティや安全性の観点から、総務省による2015年度イノベーションの支援を得て開発した高信頼性組込OSが用いられている。よって、移動制御系も含めてオープンソースを使用せずに開発した純国産の水上ドローンだ。インフラ点検や災害対策などへの応用を念頭に、今後も純国産機の開発と改良を行うとしている。

共同プロジェクトの概要

 日本の都市は水辺(川辺・海辺)を中心に形成されてきたが、東京・大阪等の大都市も例外ではない。近年、大都市臨海部は都市過密化により、交通、物流、環境、災害等の課題が複雑に絡み合っている。こうした課題に対して、人や物の移動を支えるうえで、都市部の低未利用化した水域の活用が重要な糸口となる。そこで、都市型自動運転船「海床ロボット」が都市内水域を移動し、水辺のさまざまな都市問題の解決につながる実証を行う。
※今後の検証実施に向けた調整により、実験内容・規模、場所等が変更となる場合有り。

本公募の目的

 公募は企業等による未来社会を見据えたイノベーション創出の促進を図るため、博覧会協会及び大阪商工会議所が先端技術等の実証実験を公募したもので、夢洲のフィールドで行われる。プロジェクトは「未来社会の実験場」をコンセプトとする2025年大阪・関西万博の開催に向けた機運醸成の一貫として進められる。なお、選考された実証実験案件については大阪府、大阪市、大阪商工会議所で構成した「実証事業推進チーム大阪」がフィールド利用の調整等を行っている。