2023年1月31日、関西フーズは、ZMP、姫路コンベンションサポート、姫路ウォーカブル協議会と連携し、無人宅配ロボ「デリロ」を用いて、姫路駅前地域特性に合わせたエリアでの顧客満足の高いフードデリバリーサービスの社会実装を目指し、実証事業を行うことを発表した。経済産業省の「令和4年度 地域新成長産業創出促進事業」を活用し、2023年2月8日から実施する。

 姫路市は2015年3月に姫路駅北駅前広場を整備し、2020年に大手前通り再整備事業を完了して以降ウォーカブルな街づくりを推進している。この取り組みの中「人とロボットが寄り添い、支え合う街づくり」を目指し、官民が連携して姫路駅周辺地区で自動運転ロボットを用いた移動サービスの社会実験を3年前から行っている。

 2023年4月の道路交通法改正により、要件を満たす自動運転ロボットは「遠隔操作型小型車」と位置付けられ、遠隔操作の下でロボット単独走行が可能となる。今後、こうしたサービスの普及が見込まれる。

 同実証事業では、移動サービスだけでなく自動運転ロボットを用いた宅配サービスを行う。将来的に姫路駅前周辺の直径約1kmの範囲において地域に根差したサービスを行い、より多くの集客を行う。参加店舗の売上増へもつなげる取り組みとなる。

 また、観光地の訪問者にもタイムリーな配送を行う便利なデリバリーサービスを、最新のデジタル技術を使い提供を図り、新たな観光サービスを実現するとしている。

実証事業実施地域

自動運転ロボットを用いたフードデリバリーサービス

 同事業は、姫路駅前周辺で人手を用いたデリバリーサービスに代わる、無人宅配ロボットを用いた簡単で便利なデリバリーサービス構築の第一段階となる。

 利用者はスマートフォンで注文を行い、注文を受けたロボットが配送先に時間通りに商品を届ける。商品が届いたことをスマートフォンで受取者(利用者)に通知し、そのスマートフォンを用いて商品の受け取りを行う。1回の注文で850円(税込)から受け付け、今回のみ配送料金は無料とする。

 人手を介さず、利用者にとって注文から商品受け取りまで使い勝手のよいシステムを構築し、注文された商品を信頼性高く配送するとしている。なお今回の実証事業ではロボット運行確認のためオペレーターが付き添う。雨天や道路事情等によりロボットで宅配ができない場合は事前に連絡の上、人手で配送する。

運用手順

 また、注文から受け取りまでの配送を30分以内に行うことを目標とする。商品は姫路の人々の好みや特性を考慮した特長ある商品にする。

 配送元は1店舗、配送先は9カ所で、限定したルートを使って無人宅配ロボット運行の遠隔監視を行い、ロボット運行の認知と、この活動に対するニーズ調査を行う。

 次年度は、複数店舗から指定の場所(配送先住所を指定、任意の場所)へと事業を拡大する予定だ。

配送元の力丸 JR姫路駅店(赤丸地点)、配送先9カ所(青丸地点)。

実証事業 概要

 「美味い」「便利な」無人宅配ロボットでのデリバリーサービスを実証する。運行コースや運営は、実証事業の後、利用者からのアンケート等を元に価格や内容を見直し、来年度から社会実装にむけて調整する予定。

日程2023年2月8日~12日、22日~26日 全10日間
配送時間12時、13時、14時、16時、17時、18時に配送先へ到着
1時間に1回配送(配送時間は30分以内)
※注文受け付け開始日:2月4日から先着順
価格1回の注文で850円(税込)から、今回のみ配送料金は無料。
申し込み2月4日から、力丸アプリもしくは二次元バーコードから受け付け。
要会員登録。事前クレジット決済のみ対応。
運行管理遠隔監視に加えてオペレーターを配置し、より安全運行に配慮する。
ZMPの無人宅配ロボット「デリロ」。配送ボックスを装備し、目的地までモノを配送する。最大時速は6km/h。障害物や信号なども検知し、回避したり、停止したりすることができる。