2023年2月6日、エアモビリティ社は、三重県鳥羽市において、空飛ぶクルマのナビゲーションシステム「AirNavi」と離着陸場システム「IVport」の実用化に向けて、同日ドローンを使用した実証実験を行ったと発表した。

 エアモビリティ社は、2020年11⽉に東京海上日動火災保険、三重県との間で、空⾶ぶクルマに係る実証実験ならびに実⽤化に向けた支援に関する包括協定を締結しており、今回の実証はその取り組みの一環として実施したものとなる。

 エアモビリティ社が開発する空飛ぶクルマのインフラプラットフォーム「AirMobility Service Collaboration Platform(ASCP)」の主要機能である空のナビゲーションシステム「AirNavi」を、空飛ぶクルマを想定したドローンに搭載して実証実験を行った。

 AirNaviとは、ルート設定などのナビゲーション機能をはじめ、リアルタイムの気象情報、離着陸場の情報などさまざまな条件を取り込み、空⾶ぶクルマの安全な運航を支援するものであり、今回の実験では同じくASCPの主要機能である離着陸場システム「IVport」を使って、正常着陸運航と緊急着陸運航の2つの機能確認を実施した。

「AirNavi」の画面
「IVPort」のイメージ図

実証実験の内容

1. 空飛ぶクルマに見立てたドローンと、AirNaviの安全運航に関するシステム連携について実験を実施。

2. AirNaviとIVportが連携して作動する緊急着陸機能について実験を実施。

①正常着陸運航
 AirNaviに登録されたルート通りにGPSから位置情報を取得し目的地に向かって飛行を実施。目的地に近づいた上空でAirNaviからIVportに対して着陸前確認としてセンサー情報(異物の有無と風向・風速)の確認。IVportからの着陸に関わるセンサー情報を取得したのちAirNaviで着陸可否を判断し安全な着陸を行った。

②緊急着陸運航
 AirNaviに登録されたルート通りにGPSから位置情報を取得し目的地に向かって飛行を実施。飛行中に目的地の着陸場に障害物を設置。目的地に近づいた上空でAirNaviからIVportに対して着陸前確認としてセンサー情報を確認。着陸に関わるセンサー情報をIVportからAirNaviに返答。AirNaviは着陸可否を判断し、新たに緊急着陸先に機体を誘導して安全に着陸を行った。

実証実験日 :2023年2月6日(月)
場所 :三重県鳥羽市 鳥羽マリンターミナル(かもめ広場)
実証実験飛行ルート :鳥羽マリンターミナル周辺海域
・青:正常着陸ルート
・黄:緊急着陸ルート

※国土地理院の空中写真上に飛行ルートを記載

使用機体:プロドローン「PD4B-M」
物資輸送BOXを連結し、AirNaviアプリ用のタブレットや通信機器などを搭載した。