2023年2月2日、センシンロボティクスは、竹中工務店と共同で、さまざまな建設ロボットを遠隔操作・管理する「UGV(※1)遠隔操作ソリューション」を開発したことを発表した。

※1 運転手の乗車を伴わず、無人状態で走行できる車両の総称。

「UGV遠隔操作ソリューション」(左)、検証用UGV「JACKAL」(右)

 建設業界では、深刻な人手不足への対策や2024年度より適用される残業規制などを背景に、ロボット活用によるDXに期待が集まっている。日々状況が変化する施工中現場においてロボットの完全自動化は技術やコストの面で導入が難しく、より柔軟に対応できる遠隔操作が注目されている。

 しかしロボットの種類の増加、機能の高度化に伴い、ロボットごとに異なる遠隔操作インターフェースが乱立することで、現場作業員が個別に操作方法を理解する必要があり、導入を阻む一因になっているという。

 この課題を解決するために、両社は一定要件を満たすロボットであれば同一システムで遠隔操作ができるUGV遠隔操作ソリューションを開発。身近なゲームコントローラで、PC上の遠隔操作画面から、離れた場所のロボットが操作できる。360度カメラを搭載し、遠隔で現場を管理する業務を対象に利用を検討していくとしている。

 現時点ではCLEARPATH ROBOTICS社製UGV「JACKAL」に対応しており、その他ROS(※2)を利用しているロボットであれば連携が可能だという。同一システムとユーザインターフェースを介して操作することで、ユーザーがロボット遠隔操作を新たに理解する手間を極力抑制することを目指す。

 今後、第一弾として2023年4月にJACKALのレンタル運用を開始予定で、活用シーンに合わせてロボットの種類を増やしていき、建設業界全体のレンタル運用についても随時展開していく。

 2023年上期には竹中工務店が開発した「建設ロボットプラットフォーム」との連携を行い、遠隔操作を必要とするロボットに順次対応し、実用化を目指すとしている。

※2 ロボット開発のソフトウェアプラットフォーム。