2023年1月27日、出前館とエアロネクストは、2022年12月29日にドローンを活用した新しい商品流通の仕組みの構築に向けて業務提携契約を締結したことを発表した。

 両社は、ドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」の導入を予定している自治体において、出前館アプリと連携した空輸と陸送のハイブリッドによるデリバリーサービスの地域導入を共同で推進していく。

 まずは、セイノーホールディングスとエアロネクストが包括連携協定を締結している福井県敦賀市と茨城県境町より運用を開始。その後全国の自治体に展開していき、SkyHubの社会実装を加速するとしている。

エアロネクスト代表取締役CEO 田路圭輔氏(左)、出前館 代表取締役社長 藤井英雄氏(右)
SkyHubサービスに使用する物流専用ドローン「AirTruck」イメージ(今後制作予定のデザイン)

 全国の基礎自治体(市町村)の1,747自治体のうち、過疎地を抱える自治体は885を数え(総務省 2022年4月1日発表)、全体の50%を超えている。過疎地においては、買物弱者、医療弱者、モノが行き届かないといった物流弱者、また地域の交通機関が休廃線し移動手段がなくなるなど、人やモノの移動に関する共通の課題を抱え、人口減少、少子高齢化に伴い加速している。

 また、新型コロナウイルス感染拡大によるライフスタイルや物流への影響もあり、ラストワンマイル領域において幅広いニーズへの対応と課題解決への取り組みが求められている。

 出前館は、全国でシェアリングデリバリーのサービス展開をしており、新しいテクノロジーを活用しながら、人々を支えるライフインフラとしてさらなるデリバリーの日常化を目指している。

 エアロネクストは、産業用ドローンの技術開発をベースにドローン配送事業を展開。昨年からはドローン物流や共同配送を取り入れた新スマート物流SkyHubをセイノーホールディングスと連携して開発、全国展開を推進しており、主に過疎地・中山間地等における新たな物流インフラの構築で地域課題の解決に取り組んでいる。

 両社はすでに横須賀市や敦賀市でドローン配送実証実験を実施しており、業務提携により、出前館の展開エリアの拡大、エアロネクストのドローン配送の確立、およびSkyHub TMS(※1)の普及を目指すとしている。

※1 NEXT DELIVERYとネバーマイルが共同で開発する、地域物流を効率化する新スマート物流システム。種類の異なるさまざまな荷物の管理を一元化して、利用可能かつ最適な配送リソース(トラック、ドローンなど)に荷物を割り当てる。荷物の動きを可視化・データ化することにより物流業務を最適化、効率化する。(NEXT DELIVERYより)

事業提携の内容

 地域人口の過疎化および高齢化等により買物が困難な人々(対象地域居住者)等を支援する新しい商品流通の仕組みの構築において、以下の具体的な内容を相互に連携して、業務を行うことをその目的とする。

1. 新しい商品流通の仕組みを構築し、その効率的な運用を行うこと
2. ドローンによる空輸と陸送とのハイブリッドデリバリーによる商品の提供エリアおよび対象者の拡大と飲食業界への支援
3. 物流の省人化・効率化に向けた検討および研究
4. 地方自治体を含む行政との連携

各社役割

出前館
対象地域居住者に向けた商品提供サービスサイトにかかるインフラ提供
対象地域居住者への配送を実現する手段としてのエアロネクストとの提携

エアロネクスト
対象地域居住者への配送手段としての航空ドローンを活用した配送の実現
これまで対象地域居住者が入手困難であった商品の販売者の開拓と出前館との連携