2022年11月28日、SORA Technologyは、経済産業省による補助金プログラムの支援のもと、ブータンにおけるドローン物流の実現可能性を検証するための飛行試験を実施したことを発表した。飛行試験は2022年9月29日から10月10日、ブータンの国営商業投資会社であるDruk Holding & Investments・イノベーション・テクノロジー部局(以下、DHI InnoTech)と共同で行った。

 ブータンは国土の大部分が急峻な山岳地帯であることから、安定的な物流網の確保が社会課題となっており、これらの課題をデジタル技術で解決することが政府の方針として位置づけられている。ドローンは、道路や鉄道といった大規模なインフラを整備することなく効率的に物流網を構築できるため、物理的なアクセス改善のソリューションとして期待が寄せられている。

 SORA TechnologyとDHI InnoTechのパートナーシップ(2022年6月28日、DHI Innotech並びにブータン政府・情報通信省とMOUを調印)では、Remote IDやUTMによるドローンの運航管理だけでなく有人機を含めた低空域管理全般についても取り組んでおり、将来的には大型配送ドローンや空飛ぶクルマの導入につながる一大プロジェクトとなっている。

 今後はさらに機体認証やライセンス・スクール事業等の人材育成にも注力し、官民による包括的な航空環境整備に向けた取り組みを主導していくとしている。

左から、SORA Technology Vice CEO 梅田昌季氏、同社CEO 金子洋介氏、同社CRDO 長谷川克也氏。

関係者コメント

 ブータンにおけるドローンの設計、製造、ユースケースの開発を支援するためのビジョンや生産能力の拡大、さらにテクノロジーやビジネスモデルの構築といった面において、SORA Technologyと協力できることを嬉しく思います。

DHI InnoTech

 日本とブータンの両国におけるドローンの大規模な利活用を確実に加速させるこの度の成果を耳にし、胸が高鳴っております。その際、機体数が増えた場合のセキュリティや安全面でのリスクを管理する必要がありますが、SORA TechnologyやDHI InnoTechなど、Remote IDやUTMといった空域管理の現場における積み重ねが、未来の『宙(SORA)』を切り拓いていくことでしょう。

東京大学 中村裕子特任准教授