SORA Technologyとブータン国営投資会社 DHI Innotech、ブータン政府 情報通信省は、ドローン配送・UTM・リモートIDなど、包括的なドローンインフラ構築事業に関するMOU「Drone Logistics and Drone Business Environment Development Project in Bhutan」に調印したことを、2022年6月28日に発表した。

 国土の大部分が急峻な山岳地帯であるブータンでは、雨季に山の斜面崩壊が頻発することから、交通遮断に対する安定した物流網の確保が社会的な課題となっている。加えて、経済基盤が不安定であり、隣国のインド等からの安い労働力の流入も相まって若年層の失業率も深刻化しており、強固な経済基盤の確立も急務である。

 SORA Technologyは、アフリカやアジアなどのUHC(※1)とDXの実現を目的として、ドローンとエアモビリティの活用を中心に、飛行管理システムを含む包括的なドローンインフラの構築と運用を行っている。
 今回のMOUは、SORA Technologyによるドローンの運用および安全な運用に不可欠な環境整備に対する包括的な支援を通じて、物流を軸とした多様なセクターのDXの促進および近隣諸国との競争力を有する強固な産業基盤を構築し、さらには若年層の失業率の改善に貢献し得るという共通見解に基づいている。

 加えて同社は、MOUに基づく「モビリティ分野におけるドローンロジスティクス及びドローンプラットフォームに係る実証」について、日本貿易振興機構(JETRO)による「アジアDX等新規事業創造推進支援事業費補助金(ビジネス共創促進事業)」に採択された。

 MOUおよび補助金を元に、同社は各種サービスの目的に適したドローン機体、付随部品等を供給し、現地の自然環境に合わせた運用を通じて、ドローンプラットフォーム全体としてのビジネス展開を検証していく方針である。

※1 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ。「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」こと。(国際協力機構より)