2022年12月7日、調味料や乾燥野菜などの加工食品の製造、販売を行う三共食品は、自社工場内の点検を行うために小型ドローンを導入することを発表した。2023年2月に実施予定の内部監査から本格導入する。監査員が確認するのが難しい高所部分をドローンにより点検することで、工場内の安全性向上を目指す。

ドローン撮影による工場内全体の様子。
中村代表がドローンを操縦する様子。

 同社は工場内清掃作業時に足場などが必要となる高所部分の設備点検において、ドローンにより動画や画像を撮影をすることで安全性を考慮した広範囲な点検を実現するため、2022年12月2日にテスト飛行を実施した。ドローンの操縦は同社代表が行った。

 テスト飛行では、今まで点検することが難しかった機械の上部や梁、配管などをドローンにより点検した。ターゲットとするエリアは、バンド乾燥機上部、サーモゾーン上部、エキス濃縮釜上部、工場の屋根。普段見ることができない汚れや粉塵の堆積など確認できたことで、今後の清掃方法の改善につなげるとしている。

バンド乾燥機:バンドコンベヤーの上に積載した材料を、乾燥室内を移動させながら熱風により乾燥させる熱風式乾燥機。
(左)バンド乾燥機(右)ドローンで撮影したバンド乾燥機上部
サーモゾーン:スラットコンベアー上に乗った具材を高温で瞬間的に熱する機械。
(左)サーモゾーン(右)ドローンで撮影したサーモゾーン上部
エキス濃縮釜:野菜・畜肉・魚介などのエキスを減圧下で低温蒸発させることにより、水分除去し濃縮する。
(左)エキス濃縮釜(右)ドローンで撮影したエキス濃縮釜上部
工場の屋根
(左)工場外観(右)ドローンで撮影した工場の屋根

 テスト飛行の結果を踏まえ、同社は2023年2月7日に行う内部監査からドローンを本格導入することを決定した。今後は毎年行う内部監査に活用して細かな部分の点検・改善作業を行い、より安心・安全な食品工場へ向けて取り組みを強化していくとしている。