2022年11月30日、ウェザーニューズは、お天気アプリ「ウェザーニュース」を法人専用にカスタマイズした「ウェザーニュース for Business」において、ドローン専用サービスの無償トライアルを開始することを発表した。ドローンのパイロットを対象にした2カ月間の無償トライアルにおいて、ドローン専用のカスタマイズ画面やプッシュ通知を試すことができる。申込期間は2022年12月~2023年1月末。

ドローン向け「ウェザーニュース for Business」

 同サービスでは、スマートフォンのウェザーニュースアプリからドローンポートの天気予報や、上空150mまでの風向・風速・気温などをチェックできるほか、ドローンポートの風速が設定した閾値を超える場合はパイロットや運航管理者に強風リスクのプッシュ通知を行う。さらに、高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」を設置することで、現地の観測データをスマートフォンからリアルタイムで確認することも可能。操縦に必要な気象情報を把握することで、パイロットは飛行予定日の検討や運航可否の判断、飛行高度やルートを見直すことができる。

 2022年12月5日に改正航空法が施行され、有人地帯におけるドローンの目視外飛行(レベル4)が解禁されることで、宅配サービスや災害対応におけるドローンの活用が進んでいくと見られる。しかし、ドローンが飛行する上空は地上付近よりも強い風が吹くため煽られてドローンの落下事故につながる恐れがあるほか、上空の気温低下はバッテリーの消耗に影響するなど、ドローンの飛行には気象に関する運航リスクが伴う。実際に、ドローンの墜落事故の1~2割は気象現象が原因とされており、安全な運航を実現するためには詳細な気象情報が必要となる。

事前に設定したドローンポートのピンポイント天気予報

ドローン向けウェザーニュース for Business

 ドローン専用サービスでは、お天気アプリのウェザーニュースを通してドローンの運航可否判断に特化した気象情報を提供する。パイロットはウェザーニュースアプリから、ドローンポート周辺のカスタマイズされた気象情報を確認することができる。

 専用画面では、飛行の可否を一目で把握することが可能。上空の風と気温について上空150mまでを7層に分けて、閾値に応じて色分けをしている。風速をもとに、飛行可能、注意、飛行不可の3段階で判定しているほか、気温も起動可否やバッテリー残量に影響するため、注意、警戒の2段階で表示する。また、10日先までの地上付近の天気、降水量、気温、風向・風速も閲覧可能。

 風や雨などの気象リスクをアプリのプッシュ通知で事前に受け取ることもできる。対象地点と風速・雨量などの閾値を設定するといった企業専用カスタマイズにも対応する。例えば、6時間以内にドローンポートで10m/sを超える強風が吹く場合には、「強風のお知らせ」として自動通知を受け取るように設定することができる。風や雨だけでなく、台風情報や災害関連情報の通知を受け取ることも可能。

強風リスクをプッシュ通知機能で受信

 さらに、高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」を設置することで、アプリ画面からドローンポート周辺の観測データをリアルタイムに確認することができる。ソラテナは、気温・湿度・気圧・風向・風速・照度・紫外線・雨量の8要素を1分毎に観測する。小型で設置しやすく、電源を入れるだけで観測が始まり、手軽に実況データを収集できる。
 また、30時間先までの「雨雲レーダー」など、個人の有料会員向けに提供している人気コンテンツの利用も含まれる。

高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」

 お天気アプリのウェザーニュースをビジネス用に拡張した、法人向けのSaaS型サービスであるウェザーニュース for Businessは、2022年9月に提供を開始。ウェザーニュースアプリ上で法人専用ページやプッシュ通知を追加し、それぞれの企業にあわせてカスタマイズした気象情報を提供している。管理者向けにPC版の専用ウェブサイトも用意しており、数十万地点の拠点と気象情報をマップ上で重ね合わせ、気象リスクの高い拠点を確認することもできる。多様な市場ニーズにあわせたパッケージを用意しており、企業独自の閾値やコメントを設定した強風・大雨などのプッシュ通知、観測機のデータ連携、オリジナル指数の開発など、さまざまな要望に対応する。料金は1アカウント月額980円(税別)から、30アカウントより提供している。