2022年11月29日、アミューズワンセルフは、総額10億円の資金を調達し、次世代ドローンとレーザースキャナーの開発、および国内・海外での事業展開を狙った組織体制の強化を進めることを発表した。資金調達はフジタを引受先とする第三者割当増資と、三井住友銀行、みずほ銀行等からの借入(融資枠を含む)によるものとなる。

 この資金を活用し、新たなドローン技術とデータ処理システムの開発体制を強化し、国内外での事業展開のためのエンジニアや技術営業職の採用を進めるとしている。これまで4万回以上のフライトデータから得た知識や、測量を専門としないユーザーの参入を可能にしたデータ処理のクラウド化など、ドローン計測システムの開発ノウハウを展開する新規事業の加速化を行う。

 同社はこれまで自己資金により事業を行ってきたが、拡大する顧客ニーズに応えるだけでなく、海外からの引き合いの増加に対応しながら、製品・サービスの安定供給、強固な情報セキュリティを確保し、事業の展開・成長と会社組織の拡充を図るため外部資金の調達に至ったという。
 これにより、継続的な新規技術開発の推進、エンジニアや技術営業職の人材採用の促進、生産・調達体制の拡充と最適化および管理・組織体制の強化を加速化させる。

アミューズワンセルフ 主要事業

1. レーザー計測による3次元測量
 高密度点群データを取得するグリーンレーザー技術の開発とその高度化により、ドローン搭載型レーザースキャナー「TDOT 3 GREEN(ティードット・スリー・グリーン)」を提供している。ドローンに搭載することで、広範囲の高精度3次元測量が短時間で可能となる。水に吸収されにくい特性を持ったグリーンレーザーを採用しているため、これまで近赤外線レーザーでは測定が困難だった雨に濡れた地面や水中の地形に対しても、正確な点群データを取得することができる。


2. 長時間飛行ハイブリッドドローン
 ドローン単体で6時間以上、レーザースキャナー搭載時でも2時間以上の飛行が可能なハイブリッドドローン「GLOW.H(グロウ・ドット・エイチ)」を提供している。長時間飛行により広範囲の測量を一度に行うことができる。
 スキャナー内部にAI処理を可能とするコンピューターを搭載したことで、データのクラウド処理機能と連携させ、情報をリアルタイムで確認できる。取得データはLTE通信や衛星通信により遠方への送信が可能。
 防災、減災用途の測量から、これまで可視化が難しかった河川や港湾など広域測量の効率化と高度化が期待される。