2022年11月11日、Amazonは、Prime Air配送用の次世代ドローン「MK30」を発表した。

 Amazonはドローン配送を実現するために10年近く取り組んできており、5ポンド(約2.3kg)以下の荷物を注文から配達まで1時間以内に届けることができる完全電動式のドローンを開発。2022年後半にカリフォルニア州ロックフォードとテキサス州カレッジステーションにおいて、ドローン配送サービスであるPrime Airを開始することを発表している。

 2024年の導入を予定しているMK30は、ロックフォードとカレッジステーションで配達を行うMK27-2よりも軽量・小型化されている。航続距離は伸び、温度耐性が向上、安全性を重視した機能を備え、小雨での飛行も可能だ。

「MK30」の3Dレンダリングイメージ(画像:Amazon)

 ドローンは人や建造物のはるか上空を通過し、荷物を届けるために降下するときも一般的な住宅街で聞こえる音より静かであるが、同社はドローン騒音の低減にも取り組んでいる。カスタム設計のプロペラを開発し、MK30の騒音をさらに25%低減した。

 また、ドローンは予期せぬ状況に遭遇しても自律的に安全な判断を下すことができるという。高度なセンス・アンド・アボイドシステム(sense-and-avoid system)を構築し、ドローンが航空機や人といった障害物を安全かつ確実に回避しながら、より遠くまで飛行できるようにする。

(画像:Amazon)
(画像:Amazon)

 航空宇宙分野で実績のあるアプローチによってシステムに安全性を取り入れており、MK30は連邦航空局など国の航空宇宙当局による評価を受けることで、その安全性と信頼性を証明するとしている。

 同社は膨大な品揃えの商品を1時間以内、最終的には30分以内に、持続的かつ大規模に配送するためにはドローンが最も効果的な道筋だとしており、今後数カ月、数年のうちにサービスをより多くの利用者に拡大したい方針だ。

【参考】ドローン配送に向けて準備を進める様子(2022年8月公開)(Amazon YouTubeチャンネル)