2022年11月9日、​A.L.I. Technologies(以下、A.L.I.)と特殊高所技術(以下、TKG)は、ドローンと特殊高所技術によるハイブリッド型ソリューションの共同展開などについて、包括的業務提携契約を締結したことを発表した。

 ロープ高所作業を用いたインフラ維持管理業務を手がけるTKGと、ドローンを使ったインフラ点検業務を推進するA.L.I.が協業することにより、機動力と専門性を担保した包括的な橋梁保全ソリューションの開発・提案を行うとしている。

<特殊高所技術を用いた橋梁点検の様子>
<ドローンを用いて遠隔から橋梁点検を実施する様子>

 2014年に道路施設(橋梁等)定期点検が義務化され、技術者が構造物に近づいて行う近接目視点検が必須項目となった。70万橋以上ある橋梁については、5年に1回の点検が義務化された。そして2019年には点検要領が一部改定され、インフラ点検にドローンなどの新技術を使用することが可能となった。

 橋梁点検においてはドローンが新たな標準点検方法として注目されているが、ドローンのみでは狭隘部など橋梁部材の全てを近接撮影することは困難であり、内業量の増加など、必ずしも効率的とは言えない部分もある。また、より精密な非破壊検査や補修工事など、人の手が必要となる場面は多いという。

 両社はドローンと特殊高所技術が連携した新たなサービスを立ち上げ、橋梁点検業務の標準化を推進し、業務マニュアルおよび業務評価指針を構築、生産性・安全性の高いサービスを全国に普及させることで、国内の橋梁保全に貢献するとしている。また、2024年に厚生労働省から国土交通省に移管される水管橋についても点検ソリューションを確立する方針だ。さらに今回の業務提携を通して、世界の橋梁インフラ保全も視野に入れている。