経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ロボットを導入しやすい環境(ロボットフレンドリーな環境)を実現するため、2019年度に「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース(TF)」を設置している。今回、TF内の施設管理テクニカルコミッティ(TC)に参画してきた企業25社が主体となり「一般社団法人ロボットフレンドリー施設推進機構」を設立したことを、2022年10月5日に発表した。

 同機構では、あらゆるタイプの施設において「ロボットの導入」と「ロボットフレンドリーな環境(以下、ロボフレ環境)の構築」の支援を行うとしている。

 設立由来となった施設管理TCでは業界横断的な企業があらゆる施設においてロボット導入を実現するための手法を検討し、2021年6月に「ロボット・エレベーター連携インタフェイス定義」の暫定版を公開している。同機構は、産業界がスピード感を持って自発的にロボットの活用について検討を行うため、TFから発展的に独立する形で設立された。

今後の計画

ロボットフレンドリー施設推進機構の目標

① 施設とロボットの連携において協調領域を整理する
 ロボットは、エレベーターやセキュリティ(入退管理システム)等と連携することによって、その可動域を大幅に拡大させることが可能である。しかしこれまでのロボットの連携事例においては、各社各様に連携方式を開発していたため、実現される効果がほぼ同じであるにも関わらず、過大な導入時間を要しコストアップにつながっていた。
 同機構は施設とロボットが連携する上での協調領域を整理し、各社が競争領域に注力できる環境の整備に努める。具体的には、ガイドラインや各種規格を発行し、ロボットの普及を支援する。

②「ロボフレ環境」を定義し、ロボットを導入しやすい環境を具体化
 現状「ロボフレ環境」という定義は存在せず、ロボットによって「どんな施設であれば即座に導入可能なのか」状況はまちまちになる。例えば、あるロボットは少しの段差であれば越えられるが、別のロボットは越えられない等。
 同機構では「ロボフレ環境」を定量的に定義し、ロボットを導入し易い環境の具体化を目指す。

③ ロボットの群管理の実現を支援
 ロボット同士を束ねるシステムが無い限り、ロボット同士がすれ違うことは現在の技術においては困難である。例えば狭い通路で複数種類のロボットが対面した場合、すれ違うことができず止まってしまうことが予想される。
 複数種類のロボットが同一環境にて自律的にサービスを行う状況を見据え、同機構ではメーカー横断的なロボットの群管理を実現することを目指し、複数種類のロボットが同時にサービスを提供できる環境づくりを支援する。

参画企業(2022年9月22日時点)

正会員企業 (50音順)
NECネッツエスアイ株式会社
株式会社Octa Robotics
株式会社クマヒラ
株式会社ジェイアール東日本企画
杉田エース株式会社
セコム株式会社
綜合警備保障株式会社
大成建設株式会社
株式会社東急コミュニティー
東急不動産株式会社
東芝エレベータ株式会社
戸田建設株式会社
トヨタ自動車株式会社
ナブテスコ株式会社
日本信号株式会社
日本電気株式会社
一般財団法人日本品質保証機構
パナソニックホールディングス株式会社
フジテック株式会社
株式会社本田技術研究所
三菱地所株式会社
三菱電機ビルソリューションズ株式会社
美和ロック株式会社
森トラスト株式会社

賛助会員企業
NECプラットフォームズ株式会社