2022年10月6日、ヤマハ発動機は、農業用途の産業用無人ヘリコプター「FAZER R」に自動飛行機能を追加した新製品「FAZER R AP(フェザー アール エーピー)」を開発したことを発表した。

 同機は、初心者でも運用ができる新型自動飛行用アプリケーション「agFMS-IIh」を用いた自動航行による高精度な直線長距離散布で、大規模ほ場にも対応。また、自動飛行時にボタン操作で作動する自動離着陸機能や、リモートエンジンスタート機能を備えている。

 高度な操縦技術が求められる無人ヘリコプターに自動飛行機能を追加したことで、操縦者の負担を軽減するほか、農薬や肥料などの散布作業を効率化し、散布品質を均一化する。

 なお同社は、10月12~14日に幕張メッセで開催される「第12回農業Week」のヤマハ発動機ブースに、同製品を参考出品する予定だ。

産業用無人ヘリコプター「FAZER R AP」

 新型自動飛行用アプリケーション(agFMS-IIh)による自動飛行機能は、使い慣れた上級者が詳細に飛行設定できる「プロフェッショナルモード」と、初心者でも簡単に飛行設定可能な「シンプルモード」を用意。シンプルモードでは、ガイドに沿った操作で簡単に設定が完了する。

 高精度な測位を実現するRTK方式は、従来の基準局モジュールを用いるRTK-GNSS方式と、基準局モジュールが不要なネットワーク型RTK-GNSS方式が選択可能だ。

 細かなスティック操作を必要としない自動離着陸機能を備えるほか、機体に接近することなく適正な距離を保った状態でエンジンスタートが行える。

主な諸元
全長×全幅×全高3,665×770×1,078mm
メインローター直径3,115mm
テールローター直径550mm
取扱重量74.8kg
最大薬剤積載量液剤 32L・粒剤 30kg
原動機種類/気筒数配列水冷・4ストローク・OHV・2バルブ/水平対向 2気筒
総排気量/ボア・ストローク390cm3/66.0×57.0mm
最高出力20.6kW/6,000r/min
燃料種類/燃料タンク容量レギュラーガソリン/5.8L
制御システム・モードヤマハ独自システム(YACS III、agFMS-IIh)
操縦用周波数73MHz(マニュアル操縦)、2.4GHz(データ通信)
障害物検出システム24GHz レーダー