2022年9月12日、センシンロボティクスとSAPジャパンは、世界各国の石油、化学、素材、ガス、電力などの企業を対象に、これらの企業が保有する大規模プラント設備の保全を効率化する業務自動化統合プラットフォーム「SENSYN CORE(センシンコア)」の提供を、SAPインダストリー・クラウド・パートナー・ソリューションとして開始した。SENSYN COREの活用により、点検作業の省人化・自動化を実現するとしている。

 2015年に創業したセンシンロボティクスは、労働人口の減少、設備の老朽化、自然災害の激甚化といった社会課題に対し、産業用ドローン、カメラ、スマートデバイス等を使って業務プロセス改革を支援するサービスおよびプロダクトを提供している。
 ドローンやロボットの自律制御、取得したデータの管理、AIによる分析解析、誰もが簡単に使える画面デザイン、これらソフトウェアとデータを収集するドローンなどのハードウェアといったデバイスを組み合わせ、送電設備やプラント施設、建設現場などでの設備点検や作業場管理を自動化するサービス・プロダクトを開発している。

 SAPはパートナー企業と協力して、業界固有のニーズに対応する専用アプリケーションであるSAPインダストリー・クラウド・ソリューションを提供している。SAP Business Technology Platformを使用してオープンなプラットフォーム上に構築したこれらのソリューションは、既存システムと連携して投資価値をさらに高めることを目指すものだという。

 センシンロボティクスは、SAPのスタートアップ向けのアクセラレーションプログラム「SAP.iO Foundry Tokyo」が実施した2021年上期コホートプログラムで支援企業として採択され、2021年4月より同年7月までプログラムに参加。これが契機となり、SENSYN COREをSAP Business Technology Platform上で、SAPの設備保全ソリューションSAP Asset Intelligence Networkと連携し、SAPインダストリー・クラウド・パートナー・ソリューションとして提供することとなった。デジタルとロボティクスを活用することでプラント設備の確実な点検の実現を目指す。

SENSYN CORE 概要

1. SENSYN COREは、SENSYN COREプラットフォームおよびアプリケーションサービスを活用して、SAPの設備保全ソリューションが格納されている設備情報を呼び出し、その中から点検対象となるプラント設備を選択し、その情報をSENSYN COREに連携する。

2. 点検するプラント設備の情報をSENSYN COREに入力することで、飛行ルートを自動生成。そのルートをもとにドローンを飛行させて点検作業を開始し、プラント設備の点検画像など必要なデータを取得する。

3. 取得した画像データをSENSYN CORE上で異常がないか確認し、異常個所についてのコメントを付記して、その結果をSAPの設備保全ソリューションにデータ連携させる。

4. これにより、異常データが関係者に共有され、対応策が実施される。

SAP.iO Product Video - Sensyn Robotics(SAP.iO YouTubeチャンネル)