2022年8月22日、センシンロボティクスは、ドローンを活用した送電設備点検アプリケーション 「POWER GRID Check」に大型送電設備点検機能を追加した、新バージョンをリリースしたことを発表した。

 POWER GRID Checkは、鉄塔と送電線を一括で自動点検するアプリケーションで、一般的に市販されている汎用的なドローン・カメラを用いるため、メーカーや機種に依存せず運用が可能だ。
 従来版のPOWER GRID Checkは、負荷系送電線路等の標準的な送電設備のみに適応していたが、中部電力パワーグリッドと共同で研究開発した技術を製品に適用することで、超高圧送電線路や多回線設備などの大型送電設備点検にも対応した。

 大型な送電設備の自動点検を行うには、設備の脚が広く撮影画角内に撮影対象物が収まらない、がいし連長が標準的な送電設備に比べて長いため撮影画角内にがいしが収まらない、安全措置として標準的な送電設備に比べ充電部との離隔を確保する必要があるといった課題があった。
 今回のバージョンアップにより上記課題を解決するためのアルゴリズムを実装し、大型送電設備の点検が可能となった。

 またユーザーの要望より、これまで人手により登録していたタスクを自動化し、作業時間を効率化する機能を実装した。

標準的な送電設備(左)、大型送電設備(右)
標準な送電設備がいし(左)、大型設備がいし(右)

 同社の業務自動化プラットフォーム「SENSYN CORE」のデータ管理機能を活用した、POWER GRID Checkに特化したデータ管理機能を実装。
 ドローンによる点検では膨大な画像を取得するため、撮影した設備画像を仕分けるには時間を要し、点検履歴のデータ管理が煩雑になるおそれがある。データ管理機能により、設備部位に応じて画像を自動的に仕分けるなど、データの蓄積によるトレンド管理を行うことができる。

 今後、異常抽出機能や、送電線(架空地線・電力線)の自動追従機能の追加を予定している。