2022年9月1日、DRONE FUNDは、日本風洞製作所に対して3号ファンド(正式名称:DRONE FUND3号投資事業有限責任組合)から出資を実行したことを発表した。

 日本風洞製作所は「風洞の民主化(Wind Tunnel for Everyone)」をキャッチフレーズに、全長1.4mの風洞や、厚さ30cmの自動車天秤など、超小型で低コストな風洞試験装置「Aero Optimシリーズ」を開発製造するスタートアップである。

 現在ドローン産業では、レベル4(都市部における目視外飛行)の実現に向けて制度設計やルール形成が進められており、12月には政府が新しい機体認証制度を導入する。

 従来の航空機や自動車の製造現場で使用されている風洞試験装置は、非常に大型で特殊な建屋が必要となることに加え、高価なため一部の企業や研究機関に設置が限られていたが、風洞試験の分野でイノベーションが進めば機体の検証が進めやすくなることから、DRONE FUNDは今回の出資に至ったとしている。

各社コメント

 今後のドローン産業において、突風や乱気流、強風環境下での安全性を確認・実証することが普及の鍵になると考えております。このような環境下ではGPS信号が風に流されていることなどを検知するための「目」になりますが、従来の風洞は装置があまりにも巨大なため、完全室内密閉であり、GPS環境下でドローンの風洞試験・耐風試験ができませんでした。

 弊社では自社技術のコンパクト風洞Aero Optimにより、GPS環境のある屋外・半屋外でも大面積で飛行試験・耐風試験が行えるため、ドローンの普及のための定量的な安全性確認・実証でお役に立てると考えております。DRONE FUNDさまと協調し、ドローン業界を「風」の分野で強力にサポートさせていただきます。

日本風洞製作所 代表取締役 ローン・ジョシュア氏

 私どもDRONE FUNDが掲げるビジョンである「ドローン・エアモビリティ前提社会」において、最も重要なことの一つは"空の安全性をどのように高めていくか"という点です。ドローン産業は現在レベル4フライトの実装に向けて、制度設計や実装のスピードが加速してきており、その中で市民の皆様の頭上を通過する事に対する安全への取り組みを強めていく事が求められてきています。

 日本風洞製作所が開発を進めている風洞試験装置は、ドローンの安全性の検証を進める上で重要な可能性を持っています。また、代表のローンさんは、この分野における類稀なるリーダーシップを持った人物だと確信し、投資を実行させて頂きました。私たちは、「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に向けて、日本風洞製作所の支援を進めていきます。

DRONE FUND 共同代表 大前創希 氏