2022年7月19日、DRONE FUNDは、都市内全域の屋内・地下・屋外をシームレスにカバーする3D測位サービスの提供を目指すMetComへ、3号ファンド(正式名称:DRONE FUND3号投資事業有限責任組合)から出資を実行したことを発表した。

 現在、GPSを含むGNSS(グローバルナビゲーション衛星システム)が位置情報サービスなどの標準の測位技術として普及している。GNSSは、衛星からの時刻信号を受信して位置測位を行うが、屋内や地下で衛星からの信号を受信することは困難であることから、もっぱら屋外での利用が一般的となっている。また、GNSSは地上ではきわめて微弱な電波を扱うため、妨害や干渉に弱く、この技術をベースにしたシステムは脆弱性が危惧されている。

 MetComのサービス「MBS(メトロポリタン・ビーコン・システム)」は、地上基地局ベースによる位置測位システムであるため信号強度が強く、建物の中や地下街でも三次元位置測位を行うことが可能となる。

 DRONE FUNDは、今回の出資により、ドローンやロボットの自動走行・自律航行の提供エリアを拡げるようなインフラ構築を推進し、DRONE FUND投資先同士のシナジー、LP投資家との社会実装に向けた取り組みを加速させていくとしている。

各社コメント

 MetComが提供を計画している三次元測位システムMBSは、広域で水平方向・垂直方向共に測位可能であり、ドローン・エアモビリティ分野における活用余地も広がっております。

 空の安全確保のためにGPSは重要な役割を果たしていますが、GPSの電波の届きにくい領域のカバー、そしてGPSの利用が困難な場面における安全確保という観点から、衛星方式であるGPS補完インフラとして、地上波システムであるMetComのMBSが大きな効果を発揮します。

 今般、DRONE FUNDと、弊社の社会インフラとしての価値、そしてビジョンを共有し、出資いただくこととなりました。DRONE FUNDとの協力のもと、ドローン・エアモビリティの社会浸透に向けた各種活動に、MetComとしても積極的に参画し、安心・安全な社会の仕組みづくりに貢献してまいります。

MetCom代表取締役 平澤 弘樹 氏

 いままで屋内において三次元位置測位を提供する技術やソリューションについては、良い物が存在しないと考えていました。既存の技術ですと屋内で設置工事が必要、受信機にコストがかかるなど、汎用的とは言えない状況でした。また、屋外でもGPSは妨害や干渉に弱く、暗号化されていない技術でもあるため、脆弱性という課題もありました。今回、MetComが提供するMBSはその全てについて解決が可能なサービスであり、この位置測位インフラを日本に早く展開することは、都市部での目視外飛行(レベル4)を迎えるドローン業界にとって非常に重要な技術になり得ると判断したため出資させていただくに至りました。DRONE FUNDでは、「ドローン・エアモビリティ前提社会」実現のため、全方面からMetComを支援して参ります。

DRONE FUND共同代表 大前 創希 氏