北海道東川町とセイノーホールディングス(以下、セイノーHD)、電通北海道、エアロネクスト、NEXT DELIVERYは、2022年8月29日~30日、将来的な買い物困難者問題の解決に向けた「ドローンを活用した買い物配送」の実証実験を実施した。

 同実証は、8月23日に東川町、セイノーHD、電通北海道、エアロネクストの4者が締結した東川町オフィシャルパートナー協定による第一弾の取り組みとして実施するもので、今後検討するサービス実装に向けた課題の洗い出し等を目的としている。
 セイノーHDとエアロネクストが開発推進する、ドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」の仕組みや技術を活用し、ドローン配送サービス事業を主体とするエアロネクストの子会社NEXT DELIVERYが行った。使用機体は、エアロネクストとACSLが開発した物流専用ドローン「AirTruck」。

東川町の水田上空を飛行する物流専用ドローン「AirTruck」

 実証実験では、中心部から少し離れたエリアの住民の買物支援を想定し、住民が注文したスーパーの朝採れ野菜セットを、荷物の一時倉庫かつ配送拠点となる仮設のドローンデポ(いきいき農園管理棟)から西部地区コミュニティセンターの仮設ドローンスタンド(ドローンの離発着地点)まで配送した。往復飛行距離は約6.9km、約23分飛行した。

 また、注文した飲食物をドローンによってすぐ届けるフードデリバリーサービスを想定し、地元カレー店の商品を第1地区コミュニティセンターまで運んだ。片道飛行の距離は約11.1km(約20分)。

 そのほか、町民の個宅2カ所、第2地区コミュニティセンター、第3地区コミュニティセンターの合計6カ所となる複数ルートに、同一拠点からドローン配送を2日間で行った。

配送ルート(Google Mapを使用)
商品を配送した個宅
第2地区コミュニティセンターに配送した様子
ドローン配送した地元農家の朝採れ野菜(左)、地元飲食店のカレー(右)
実証実験の様子

 4者は今後も、東川町オフィシャルパートナー協定に基づき相互に連携、協力し、東川町の課題や町民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用による、持続可能な地域交通・物流の確保と住みやすい環境づくり、地域防災や地域の脱炭素化への貢献および新しい社会インフラの整備を推進することで、東川町における「適疎なまち」づくりに貢献していくとしている。

※ 動画と一部の写真の撮影・提供 井上浩輝氏