2022年8月26日、KDDIと日本航空(以下、JAL)は、ドローンの社会インフラ化にむけ、1人の操縦者が複数のドローンを運航する「1対多運航」を実現する技術開発に、共同で取り組むことを発表した。

 2022年12月に法施行が予定されている、有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)の解禁により、物流・点検・警備・災害対応などの場面において、ドローンの利活用が期待されている。
 両社は2022年2月に協業提携し、複数のドローンを統合的に運航管理する体制づくりや、企業・自治体向けドローン活用支援のビジネスモデル検討に共同で取り組んできた。そして今回、ドローン運航にかかる労働力不足の解消や業務効率化などの課題に対応するため、1対多運航を実現する取り組みを実施する。

 なおこの取り組みは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)」における「ドローンの1対多運航を実現する機体・システムの要素技術開発」に採択され実施するものとなる。

1対多運航のイメージ

 この取り組みでは、複数ドローンの飛行に対応したシステム、オペレーション要件の検討や、1対多運航に対応した飛行制御システムの開発、飛行実証に向けた許認可の取得、複数空域における複数ドローンの同時飛行を想定した実証、そして1対多運航の事業性検証を行う。

 KDDIとKDDIスマートドローンが共同開発するドローンの遠隔制御・自律飛行を実現する運航管理システムに、JALの空の移動に関わる安全管理・運航管理といった航空運送事業のオペレーション・技術・知見を組み合わせることで、ドローンの1対多運航を可能にする飛行制御システムの開発を進めるとしている。

 また、物流と警備のユースケースにおいて、複数空域における複数ドローンの同時飛行を想定した飛行実証を日本各地で実施する予定である。

1. 物流ユースケース検証

2. 警備ユースケース検証

3. 各社の役割

 両社はこれまで、ドローンの自動・自律化、高密度・高頻度運航に向け、複数ドローンの同時実証実験、兵庫県での医薬品配送、東京都内で複数の大橋をドローンで横断する実証実験を行っており、今後も飛行実証を重ね、国内におけるドローンの社会実装を推し進めていくとしている。