2022年8月8日、ANAホールディングス(以下、ANAHD)とブルーストーンリンクアンドサークル(以下、ブルーストーン)は、ドローン物流において飛行ルートの構築に必要な通信環境の品質レベルを可視化するサービスの共同開発に関する基本合意書を締結したことを発表した。

 ANAHDが提供するドローン配送サービスの通信領域に対して、ブルーストーンのAerial Engineering Solution(以下、AES)を活用する。AESは、上空の通信ネットワーク環境のデータを取得し、独自アルゴリズムにて解析して可視化することで、運航ルート開拓の判断支援を行う。
 安定した通信環境を考慮した運航ルート開拓の研究・開発によりドローン運航の安全性を向上させるとともに、蓄積したデータを基に上空の通信に関する新たなサービスの展開を目指すとしている。

 2022年12月の航空法改正に伴い、有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(レベル4飛行)が解禁されることにより、ドローン物流社会の実現が期待されている。今後、ドローン物流社会の実現を目指すにあたり、有人地帯の上空だけでなく、離島山間部などのさまざまなエリアで安定した通信ネットワーク環境が求められるため、LTE通信を介してドローンが飛行し、操縦者の飛行監視に必要な通信の事前解析も含めた飛行ルートの開拓を行う方針だ。

 両社は基本合意書をもとに、実証実験を行うなど共同でのサービス開発を行い、事業検討を進めるとしている。

<LTE通信網を介した飛行ルートのイメージ>