2022年7月25日、SkyDriveは、2025年の大阪・関西万博を見据えた空飛ぶクルマの社会実装に向けて、同社と朝日航洋、大阪公立大学、大林組、関西電力、近鉄グループホールディングス、グロービング(代表企業)、大日本印刷、東京海上日動火災保険、日本工営、三菱電機を実施主体として、大阪府、大阪市の協力のもと、大阪ベイエリアにおける離発着ポートや飛行経路の実現性を検証することを発表した。
 なお、同事業は内閣府の「先端的サービスの開発・構築等に関する調査事業」に採択されている。

 政府は、「地域振興」と「国際競争力向上」を目的に、経済特区「国家戦略特別区域(以下、国家戦略特区)」を規定し、規制改革を推進している。この取り組みの一つとして、2030年頃に実現される未来社会を先行実現するエリア「スーパーシティ型国家戦略特区」が制定され、大阪府・市も指定された。大阪市は、スーパーシティ構想の一つとして「最適移動社会の実現」を掲げ、2025年の関西・大阪万博を見据えた空飛ぶクルマの社会実装を目指している。

 SkyDriveは、2025年の関西・大阪万博開催時における大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現を目指し、現在、2人乗り機体「SkyDrive式SD-05型機」(SD-05)を開発している。サービス実現のために、2021年9月には大阪府、大阪市と空飛ぶクルマの実現に向けた連携協定を締結し、2021年10月には大林組、関西電力、近鉄グループホールディングス、東京海上日動火災保険と共同で、地域住民の理解促進と社会受容性を高めるための「大阪ベイエリアにおける、空飛ぶクルマによるエアタクシー事業性調査」を実施している。
 今後、さらに踏み込んだ取り組みとして、官民学連携にて、離発着ポートの設置や飛行経路の実現性を検証し、空飛ぶクルマの社会実装に向けて事業を推進するとしている。

調査事業 概要

【事業名称】
空飛ぶクルマの大阪ベイエリア航路実現性の調査事業

【実証場所】
大阪府大阪市(夢洲周辺および大阪ベイエリア)

【事業内容】
1. 大阪ベイエリアの「空飛ぶクルマ」の離発着ポート候補地と考えている大阪港周辺や桜島周辺の風況・地盤等の調査実施と実現性の検証。
2. 大阪・関西万博会場(夢洲)周辺の「空飛ぶクルマ」の想定飛行経路における風況・気象データ等を取得・分析と実現性の検証。

【関連する規制改革事項】
1. 「空飛ぶクルマ」の離発着ポートの設置に向けた制度整備(航空法第79条、河川法第24条・第26条・第27条、港湾法第37条など)
2. 「空飛ぶクルマ」の機体や運航の安全基準に関する制度整備(航空法第11条・第62条・第63条、施行規則第180条など)

【社会実装に向けたスケジュール】
2022年度
本調査事業を通じた航路実現性の検証・評価
2023~2024年度
高密度・高頻度運航に耐え得る離発着ポートの設置
安定運航を支える後方支援体制・拠点の検討・整備
事業立ち上げ・拡大を情報面から支援するインフラ・データ基盤の検討・整備
初期投資・事業負担を軽減する資金調達スキームの検討・構築
デモフライト
2025年度
大阪・関西万博における空飛ぶクルマの飛行実現
2026年度~
「空飛ぶクルマ」の商用運航の拡大

共同実施体制

 この事業は下記の通り、官民学で役割を分担し実施する。

グロービング調査実行代表企業・全体統括
SkyDrive調査実行・事業全体サポート
朝日航洋調査実行・航路調査(主幹)
大林組調査実行・ポート調査支援等
大阪公立大学調査実行・全体調査支援、電波測定
関西電力調査実行・充電インフラ検討
近鉄グループホールディングス調査実行・ポート調査(主幹)
大日本印刷調査実行・広報PR
東京海上日動火災保険調査実行・リスクアセスメント
日本工営調査実行・ポート調査(概略設計等)
三菱電機調査実行・風況調査
大阪府協力
大阪市協力