2022年7月15日、森建設と鹿児島県瀬戸内町、石川エナジーリサーチ、エアリアルワークス、ANAホールディングス(以下、ANAHD)、双日九州は、新たなコンソーシアム「ID(いつでもどこでも)プロジェクト」を組成し、食料品や日用品のドローン配送の実証事業を行うことを発表した。

 鹿児島県の「鹿児島県地域課題解決型ドローン実証実験」に採択され実施するもので、実証事業では、鹿児島県瀬戸内町、加計呂麻島・請島・与路島の3島が抱える高齢化による小売店の需要減少と担い手不足、台風等で海上交通が止まることで物流サービスが滞るといった課題解決に向けて、食料品や日用品のドローン配送を行う。
 2022年度の秋頃に配送実験を行いドローン配送の有用性を確認し、配送手段の一つとしての食料品・日用品のドローン配送の確立を目指すとしている。

 同コンソーシアムは鹿児島ドローンネットワーク推進協議会が主体となり、地元の課題解決を目標に新たな産業として、ドローン物流事業の社会実装を目指している。複数運航事業者(ANAHDと石川エナジーリサーチ)による異種複数機材の飛行を計画しており、安全で効率的な事業者間の連携を検討していく。
 また、ANAHD独自開発システムを活用した東京-瀬戸内町の遠隔運航による配送の自動化、AI自動監視カメラによるドローンポートの無人化、石川エナジーリサーチが提供する機体(ハイブリッドドローン「ハイブリッドフライヤー」)による長距離飛行による配送エリア拡大に向けた取り組み等、将来のサービス化を見据えた新たな課題の洗い出しを、この実証実験を通して実施する。
 同プロジェクトにおいて石川エナジーリサーチは、ハイブリッドドローンに衛星通信を搭載し、約30kmを超える長距離飛行を目指すとしている。

各社の主な役割
森建設:全体管理・調整
瀬戸内町:地元調整
ANAHD:事業運営支援、ドローンの遠隔運航
双日九州:ドローンポートAI自動監視カメラの設置・調整・配信
エアリアルワークス:映像コンテンツ制作
石川エナジーリサーチ:ドローンの遠隔運航、機体提供