2020年10月14日、鹿児島県大島郡瀬戸内町、日本エアコミューター(以下JAC)、日本航空(以下JAL)、三井住友海上火災保険(以下、三井住友海上)およびMS&ADインターリスク総研は、ドローンを活用した地域課題解決を目指す連携協定を締結したことを発表した。

 本連携協定に基づき、瀬戸内町および4社は、2021年度を目途に瀬戸内町にて行うドローンを用いた実証実験を通じて、物流サービスに関する運用の課題の抽出や事業化に向けた検証などを行う。

 JAL、三井住友海上およびMS&ADインターリスク総研は、2020年9月に業務提携(*1)しており、次世代エアモビリティとして期待されるeVTOL(*2)を活用した新しい移動・物資輸送サービスの事業展開を検討してきた。JACは、奄美群島4路線を結ぶ航空会社として1983年に設立され、鹿児島県の離島を中心にJALグループ航空運送の一翼を担っている。今回の連携協定に基づき、瀬戸内町および4社は、生活物資などドローンを活用した物流サービスの提供による地域課題解決を目指していく。また、新しい移動・物資輸送サービスを安全・安心に実装できる未来の実現に向け、確実な飛行、保険およびリスクマネジメントに関する検討を推進する、としている。

*1 :2020年9月29日付共同プレスリリース「JAL、三井住友海上およびMS&ADインタ-リスク総研、次世代エアモビリティ分野で提携」https://press.jal.co.jp/ja/release/202009/005783.html

*2 :electric Vertical Take-Off and Landing(電動垂直離着陸機)。電動モーターで複数の回転翼を回転させ、垂直離着陸できる小型航空機。

連携協定の概要

1. ドローンを活用した離島地域での新しい物流サービスの実証実験
2. 離島地域でのエアモビリティ活用の共同検討

 瀬戸内町は、安定的な物資輸送や物流効率の向上、農林水産物などの販路拡大や輸送コストの縮減を図るとともに、大島海峡をはじめとする本町の豊かな自然環境を活用したアクテビティの創出など、新しい生活スタイルの確立および地域内経済の活性化を目指す。

 JACは、生活に欠かせない離島路線を維持する「地域の翼」であるとともに、就航地域の住民と一緒に地域課題と向かい合い、常に創意工夫を重ね、新しい価値を生み出しながら地域のさらなる発展に貢献していく、としている。

 JALは、これまでの空の移動に関わる安全・安心運航のノウハウを活用し、空飛ぶクルマなど次世代エアモビリティを活用した総合エアモビリティサービスの構築を目指す。また、当該サービスの提供を通して、災害対応や医療などの分野で地域の課題を解決し、SDGs達成に向けた取り組みを推進する。

 三井住友海上は、多様なモビリティに対応したリスクの引受実績やノウハウを活用し、次世代エアモビリティ向けの商品・サービスの開発を進めるとともに、都市での迅速・快適な移動(渋滞問題の解決等)、中山間地域での移動手段の確保、災害時の利活用等を推進し、社会課題の解決に貢献していくという。

 MS&ADインターリスク総研は、これまでのCASE、MaaS領域でのリスクマネジメントに関する知見、社会受容性に関する調査・研究成果を活用し、次世代エアモビリティサービスの安全性・社会受容性向上を目指す。その取り組みによりサービスが普及し、地域の様々な課題を解決していくことを推進する、としている。

SDGs:今回のテーマに当てはまる目標