楽天グループ(以下、楽天)、パナソニック ホールディングス(以下、パナソニックHD)、西友は、2022年5月28日より茨城県つくば市内において、自動配送ロボット(UGV)の公道走行による配送サービスを開始する。

 7月30日までの毎週土曜日(計10日間)、つくば駅周辺の約1,000世帯を対象に、西友つくば竹園店で取り扱う商品を注文から最短30分で配送する。店舗より直線距離で最長約850mの範囲となる。

スーパーを出発するUGV。

 対象地域の住民が楽天開発のスマートフォン向け専用サイトで商品を注文すると、最短30分または指定した配達時間帯にUGVで配送する。時間指定の場合は11時から18時まで1時間ごとの計8枠。商品のピックアップおよびUGVの監視は、つくばまちなかデザインに委託する。

 店舗で取り扱う商品のうち、生鮮食品、冷蔵・冷凍商品、お弁当・お惣菜を含む飲食料品や日用品など2,000点以上の商品が注文可能。手数料は110円(税込)。配送中は、専用サイトにてUGVの位置情報や到着予定時刻を確認でき、到着時には自動音声の電話やSMSにより通知を行う。

スマートフォン向け専用サイト。UGVやドローンによる配送サービス専用の注文サイトとして、楽天が開発した。
走行中のUGV。

 UGVは、パナソニックHDが開発した自動配送ロボット「X-Area Robo」を使用。つくば市から約60km離れた東京都中央区銀座の「Panasonic Laboratory Tokyo」から遠隔管制システム「X-Area Remote」を用いた遠隔監視・操作のもと自動走行する。UGVの走行中は、保安要員1名が現地で配送を監視する。

 3社は、UGVの公道走行によるスーパーからの商品配送サービスを、2021年3月から4月に神奈川県横須賀市において期間限定で提供したほか、楽天とパナソニックHDは、他6社とともに「一般社団法人ロボットデリバリー協会」を2022に発足し、UGVが公道を走行するための業界における自主的な安全基準の制定や認証の仕組みづくりに取り組むなど、UGVを活用した商品配送サービスの社会実装に向けて協働している。

 つくば市は、楽天とパナソニックグループが参画する「つくばスマートシティ協議会」を組成し、ロボティクスとデータを活用した最先端技術とこれに対応する施策を連携させ、誰もが安全、便利で快適に暮らせる、持続可能な市民中心のまちを形成するスマートシティの実現に取り組んでいる。また、2022年4月には、「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に指定され、UGVによる配送サービスの実装を含む「つくばスーパーサイエンスシティ構想」の実現を目指している。

遠隔管制システムを用いて監視する様子。
UGVから商品を受け取る利用者。