2022年6月21日、エバーブルーテクノロジーズは、山形県酒田市、とびしま未来協議会、NTTデータ経営研究所、東日本電信電話 山形支店と形成した「飛島スマートアイランド推進協議会」において、国土交通省が実施する「令和4年度スマートアイランド推進実証調査業務」へ採択され、4月より調査を開始したことを発表した。

 同社が提供する、小型ヨットや小型ボート・既存船外機を自動操船化するユニット「eb-NAVIGATOR2.0」と、専用アプリ「eb-CONNECT」、転覆しにくい安全な小型ヨットを組み合わせることで、操船者なしの自動航行船で運搬、輸送、移動などを誰でも簡単に行えるソリューションを提供する。

 スマートアイランド推進実証調査業務は、離島地域が抱える課題解決のためICTなどの新技術を離島地域に実装することを目的とした取り組みで、離島がある地方公共団体と新技術を持つ民間企業・団体が共同で実施する。
 令和3年度は全国9カ所で実施され、今回同社が調査を行う酒田市の飛島では、自然エネルギーを活用した島外からの物流サービスを実現すること、人口減少や天候不順といった環境にも柔軟に対応できる持続可能な社会システムを構築することを目指している。
 自動航行での海上輸送(運搬)により、高齢化する島社会での島民の肉体的な負担軽減、島民・宿泊客等の利便性向上による島全体の価値向上、観光客や関係人口の創出などを目的とする。

 飛島では、島外からの物流は唯一の運搬手段である定期船の運航に委ねられており、通常期は1日1便。天候に大きく左右され、年間を通して多くの欠航が起こる状態のため、島内への物流が限定・一時遮断されることもあるという。また、人口減少に伴い、島の海岸へ漂着する大量の漂流ごみの回収と運搬も課題となっている。
 こうした事象に加え、長期化するコロナ禍により観光人口・関係人口が減少し、島内の主力産業である観光産業の回復が遅れている。

実証実験概要

・航行テスト
 本土(酒田市)から飛島まで約40Kmでの航行可能性の実証。

・搬送テスト
 島内地区間でのごみ等運搬を自動航行化する。海岸に近い場所に漂流した大量のごみを、地区間の海上経由で搬送、一部物資を運搬することで、省力化と長期間の天候不順等に備えて定期船を補完する。新たな海上物資輸送手段として、無人で自律可能かつ再生可能エネルギーを利用する帆船型ドローンの実用性を検証する。

・データ取得テスト
 水産資源保護・確保に向けた海上・海中の撮影を行う。海上・海中の映像を撮影、AI解析し、水産資源保護やコンテンツ配信などへの活用可能性を検証する。

実証調査で使用する帆船型ドローン「AST-231」