2022年6月10日、トルビズオンは、ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill」を用いた、ドローン空路のリスクアセスメントに関する実証実験を実施したことを発表した。また同実証の結果を受け、上空飛行の合意を得た土地をつなげることでドローンの定期航路(空の道)をつくるプロジェクト「ソラシェア」にて、ドローン物流空路のリスクアセスメントサービスを開始した。

 ソラシェアでは、あらかじめ合意を得た空路を正確に飛行させるために、XYZ軸の全てにおいて飛行精度が求められる。そのため準天頂衛星「みちびき」などのGNSSから受信した信号を利用したRTK測位を活用し、誤差数センチメートルの精度でドローン飛行が可能であるか、佐賀県多久市、笹川工建、ソフトバンクの協力のもと実証実験を実施した。

 実証実験は2022年5月27日、多久市西多久町大字板谷付近にて実施。ドローンにソフトバンクのGNSS受信機「LC01」(携帯電波の上空利用については実用化試験局による免許申請済)を搭載し、①、②のルートにおいて上空における正確な位置情報を取得。同時に、このデータとRTK測位「有り」と「無し」の測位情報を比較することにより、これらの精度を検証した。使用機体はマルチコプター型ドローン「DJI Matrice 300 RTK」。

① 湾曲が続いてる用水路:XY軸(平面)方向の精度比較
② 高低差が激しい山間部:Z軸(高さ)方向の精度比較

ドローン飛行ルート(Google Earthより)

 同実証をもとに、トルビズオンはネットワークRTKの精度が安心安全な空路デザインにおいて実用に値することを確認したとして、全国を対象にドローン物流空路のリスクアセスメントサービスを開始する。ソラシェアとichimillのセット販売も行うことで、安全運航管理体制を実現するとしている。

 同社は多久市をはじめ多数の自治体と航路開拓および実証実験を進め、2026年までに全国で4,500本、総延長1.5万kmの空の道を作る計画だという。