2022年5月26日、Braveridgeは、低価格なバッテリーレス仕様の基板タイプ「リモートID」を開発、製品化したことを発表した。2022年6月20日からのリモートID機器の搭載義務化に対応したもので、小型軽量のため、産業用や農薬散布用などの大型ドローンだけでなくFPVドローンなどの小型機体にも搭載が可能。国土交通省の仕様に準拠。オープン価格で、2022年8月からの出荷を予定している。

 航空法の改正により、2022年6月20日から100g以上のドローンやラジコン機などの無人航空機には、リモートID機器の搭載が義務付けられる。リモートIDは自動車のナンバープレートのようなもので、リモートID機器から電波で機体の識別信号を発信することで、飛行中の機体の登録情報を判別する。

 同社は、国内に自社工場を持つ通信デバイスおよび通信モジュールメーカーである。機体識別信号を発信するBluetooth LEモジュールと、位置情報を取得するためのGNSSモジュールには自社製品を採用。さらに自社で設計開発を行い、福岡県糸島市の自社工場で生産することにより低価格を実現した。

基板タイプ「リモートID」

 バッテリーレス仕様の基板タイプにすることで、外形寸法40×40mm、重量7.6gと小型軽量化。電源供給用のコネクターには、GHコネクタ2極(JST)を採用し、業界で標準的な2.54mmピッチのピンヘッダーでも接続ができるよう設計されている。また、2系統の端子を備え、幅広い電圧入力にも対応している。
 2灯のフルカラーLEDを装備しており、電源のON/OFF状態や、configモード、発信、GNSS取得中などの状況が確認できる。

 Bluetooth LEアンテナとGNSSアンテナは、基板に内蔵するタイプと、外付けアンテナを接続するタイプの2種類を用意。筐体外部への取り付け、筐体内部への組み込みと、その筐体の構造や材質などによって適したアンテナを利用できる。

 複数台の機体のリモートIDが管理できる専用アプリを2022年8月に公開予定。また、リモートIDを可視化するための受信機も開発するとしている。

「BETAFPV 95X」への搭載例

「リモートID」主な仕様
外形寸法40×40mm(ネジ止め寸法:30.5×30.5mm)
本体重量7.6g
表示フルカラーLED×2
スイッチ1個
電源コネクタGHコネクタ2極(JST)
電源ドローン本体より供給(3.6~5V、5~55Vの2系統)
無線Bluetooth5.0 LongRange(BVMCN52840CFSLR)
センサーGNSS(BVMGPS5605S)
認証日本電波法、Bluetooth SIG 認証