日立ソリューションズは、イスラエルのダチュメイト社と販売代理店契約を締結し、ドローンで撮影した土木工事現場の画像から3Dデータを自動生成し、分析や共有を行えるクラウドサービス「DatuBIM」を、5月18日から販売開始する。

 同サービスは、撮影画像からダチュメイト社独自のAI技術で3Dデータを自動生成。データを時系列で管理し、地形の断面や盛土体積などの計測、設計図面との比較分析を行うことで、工事の進捗管理の効率向上を支援する。現場ニーズの高いCADデータの取り込みにも対応する。
 データはクラウド上で管理・共有され、また、ウェブブラウザ上で直感的に操作できるユーザインタフェースを備える。

 同サービスを活用することで土木工事現場のデジタル化を促進し、3Dデータによる施工計画から実行、保守までの進捗管理の効率化を実現。人手による測量方法による管理と比較して作業時間と作業コストを大きく削減するとしている。

 販売価格は、64万9,000円(税込)~/年(標準機能を利用できるライセンス、3次元化画像利用数1万枚まで)。

「DatuBIM」の利用イメージ

 DatuBIMでは、ドローンで撮影した土木工事現場の撮影画像をクラウド上にアップロードし、3次元化する対象範囲を指定して、マーカー(標定点、検証点)を設定すると、独自のAIアルゴリズムが、高速に3Dデータ(3D点群、3Dメッシュモデル、オルソ画像など)を自動生成する。重なりのある複数視点からの画像を用いて3Dモデルを生成するため、撮影画像の重複(オーバーラップ)の過不足に対してアラートが表示される。また、目的の場所にマーカーで位置の指定を行う際はガイドが表示されるため、初心者でもウェブブラウザ上で簡単に操作することができるという。

3次元データの生成

 土木工事現場の3Dデータ化により、遠隔地から現場の状況を把握することができる。データはクラウド上で管理されるため、工事関係者との情報共有も可能。

 工事の進捗管理や土量配分計画のために必要な日々の測量は、ドローンを活用することで、3Dデータとして時系列に管理。従来の人手による測量手法と比べて作業日数やコストを削減する。過去のデータや設計図面との比較、体積や断面などの計測、土量の切り盛り計算にも対応。設計データとの差を管理することで手戻りを防ぐ。

3次元データの表示例
計測、分析機能例

 建設・土木工事現場では、若年層の労働者不足対策が課題となっており、企業は現場にデジタル技術を導入し、働き方改革や生産性向上に取り組む動きが進んでいる。その中で、従来の地上を移動して測量する手法では多くの手間や人員、期間を費やすため、省力化が課題となっていた。

 国土交通省が推進するi-Constructionでは、2017年11月に「3次元データ利活用方針」が策定され、土木工事の測量・調査から設計、施工、検査、維持管理・更新の全工程で3Dデータ活用が推進されており、ドローン測量および3Dデータによる施工進捗管理のニーズが高まっている。