2022年4月7日、近鉄グループホールディングス(以下、近鉄グループ)は、SkyDriveへの出資を決定したことを発表した。今後、近鉄グループは、2025年大阪・関西万博において空飛ぶクルマの実現を目指すとしている。また両社は、大阪・伊勢志摩エリアなど近鉄の沿線地域における空飛ぶクルマ事業の成立可能性を検討するため、連携協定の締結を協議中だという。

 空飛ぶクルマ機体メーカーのSkyDriveは、日常の移動に空を活用することを目指し、2020年11月より大阪府が設立したラウンドテーブルの構成員として参加、2021年9月には大阪府・大阪市と空飛ぶクルマ実現に向けた連携協定を締結している。

 これまで両社は共同で実証実験などの取り組みを行ってきたが、空飛ぶクルマの実現に向けた検討を加速するため、近鉄グループが出資する運びとなった。現在、大阪エリアや伊勢志摩エリアなど近鉄の鉄道沿線地域やレジャー施設等を中心に、市場性調査やビジネスモデルなど、事業の成立可能性を検討する連携協定の締結を協議している。

 今後、近鉄グループではSkyDriveをはじめ、さまざまな機体メーカーや関連技術や知見を有する企業と協業して、2025年の大阪・関西万博において空飛ぶクルマの実現を目指すとしている。

万博会場(夢洲)周辺での航路イメージ(2025年以降)/地理院地図(電子国土web)を基にSkyDrive作成

各社コメント

近鉄グループホールディングス 代表取締役社長 小倉敏秀 氏

 近鉄グループでは、社会の構造が大きく変化する中、共創による豊かな社会の実現に向けた取り組みを進めています。このたび、国内で唯一有人飛行試験に成功し、「空飛ぶクルマ」のフロントランナーであるSkyDriveさんへ出資させて頂くことになりました。今後、鉄道など既存交通との結節による移動の利便性向上、離発着場を核としたまちづくり、観光・レジャー用途での観光地の魅力向上などを検討し、「空飛ぶクルマ」を通じた魅力ある社会づくりに貢献してまいります。

SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩 氏

 近鉄グループさんとは、SkyDrive創業以来、空飛ぶクルマ実装に向けた議論や活動を一緒にさせて頂いています。2021年10月には、地域住民の方々の理解と社会受容性を高めるために、「空飛ぶクルマによるエアタクシー事業性調査」を共同で実施させて頂き、今回、出資頂く運びとなりました。近鉄グループさんは、運輸・ホテル・レジャー・流通などの領域で、地域の方々と直接接しながら、人々の暮らしに喜びや豊かさを提供されています。SkyDriveのビジョンである「空を、走ろう」が、近鉄グループさんの各領域とシナジーを生みながら広がっていくことを目指し、まずは、大阪エリアや伊勢志摩エリアにおける空飛ぶクルマの社会実装を目指して参ります。地域経済の発展ならびに、安全で楽しく便利な暮らしの実現に貢献できるよう精進して参ります。