SkyDriveは、大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現を目指し、関西電力、近鉄グループホールディングス、東京海上日動火災保険と共同で「空飛ぶクルマによるエアタクシー事業性調査」を実施し、その調査結果の一部を2021年11月24日に公開した。

 大阪ベイエリア地域住民を主な対象として、2021年10月18日~21日に事前ウェブ調査を実施。その回答者に、2021年10月22日~23日、ドローン海上飛行や空飛ぶクルマの展示機・周辺技術(ポート建設、充電・エネルギー関連等)の展示を見学してもらい、会場調査を行った(有効回答数96)。また、当日来場者にも調査を実施した(有効回答数220)。有効回答数(N)は合計316となった。

 アンケート調査により空飛ぶクルマの認知度や社会受容度を確認し、大阪ベイエリアにおける空飛ぶクルマを活用したエアタクシーサービスの事業可能性を検証する。

大阪港中央突堤でのドローン海上飛行(2021年10月22日)
天保山マーケットプレースで行われた空飛ぶクルマ展示機「SD-03」と周辺技術等の展示見学の様子(2021年10月22日)
天保山マーケットプレースで行われた空飛ぶクルマ展示機「SD-03」と周辺技術等の展示見学の様子(2021年10月22日)

調査詳細

 今回公開したのは、空飛ぶクルマの認知度や搭乗に対する考え、サービス化された場合に重視する点、利用目的など7つの回答結果。

 回答者の約80%は空飛ぶクルマの存在を認識していた。また、94%以上の人が乗りたいと答え、乗りたくないと回答した約5%の人は、安全性全般に対する不安が見られた。サービスを利用するにあたり重視する点では「安全性の徹底」が一番多く、「ユーザビリティ(離発着場へのアクセス)」「利用しやすい料金」が続いた。

Q1 「空飛ぶクルマ」を知っていますか

 「全く知らない」が20.4%、「聞いたことがある」が50%、「知っている」が29.6%と、約80%の人は、詳細は知らないが空飛ぶクルマの存在を認識していた。


Q2 展示している「空飛ぶクルマ」に乗ってみたいと思いますか

 「全く乗ってみたくない」は0%、「是非乗ってみたい」が65.8%、「できれば乗ってみたい」が29.1%、「あまり乗りたくない」が5.1%。94%以上の人が「空飛ぶクルマ」に乗ることに興味を示した。


Q3 「空飛ぶクルマ」になぜ乗ってみたいのですか ※Q2「乗ってみたい」の回答者

 「眺めがよさそう」が65.7%と、空ならではの体験への期待が一番多く、次いで「渋滞のない生活」54.7%、「移動時間の短縮」52%といった移動の利便性向上への期待が大きかった。フリーコメントでは「好きな時に移動できる」「離島へのアクセスが便利になる」といった日常生活を便利にするモビリティとしての期待もうかがえた。


Q4 「空飛ぶクルマ」になぜ乗ってみたくないのですか ※Q2「乗ってみたくない」の回答者

 「空飛ぶクルマ」に乗ってみたくない人は全体の約5%。「機体」「自動操縦」「衝突」といった安全性全般に対する不安が見られた。


Q5 「空飛ぶクルマ」のサービスを利用するにあたり、それぞれどのくらい重視しますか

 「安全性の徹底」が95.5%、「ユーザビリティ(ポート(離発着場)へのアクセス)」が87.4%、「利用しやすい料金」が86.8%、と、安全性・信頼性のあるモビリティであることのほか、料金や便利さといった観点も重要視されている。


Q6 「空飛ぶクルマ」のサービスをどのような場面で利用したいですか

 「遊覧飛行・レジャー」が75.3%と非日常生活への期待が大きかったが、フリーコメントでは「救急医療」「山間部の生活補助」「自家用」「物流」といった意見も多数あり、日常生活を便利にするモビリティとしてイメージする人も見られた。


Q7 「空飛ぶクルマ」の実現によって、それぞれの社会課題解決にどの程度期待していますか

 「離島や山間部への物流・交通の利便性向上」が90.8%、「新しい観光事業の創出」が90.5%、「移動時間への削減」が84.4%と、日常生活の利便性の向上や地域活性化のための新ビジネスとしての期待も大きかった。

 SkyDriveは今後、2025年の大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現に向けて、同調査結果を空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブルにて共有し、空飛ぶクルマの機体開発と事業開発にフィードバックするとしている。