2022年3月8日、テラ・ラボは、ACSLおよびDRONE FUNDが運営するファンドを引受先とした、第三者割当増資による資金調達を実施したことを発表した。DRONE FUNDからは2度目の出資となる。

 今後同社は防災・減災の強化を目的に、長距離無人航空機「テラ・ドルフィン」の開発、および広域災害対策情報支援プラットフォーム「テラ・クラウド」を活用した災害対策DXの早期実現を目指すとしている。

開発中の「テラ・ドルフィン」
災害対策情報支援システム「テラ・クラウド」社会実装の様子

 テラ・ラボは今後、愛知県春日井市の本社と、昨秋福島県南相馬市に構えた研究拠点「TERRA LABO Fukushima」を拠点に、テラ・クラウドの全国自治体への導入を目指す。同プラットフォームにより、自治体や警察、消防、民間で分散している災害情報を一元管理できるほか、迅速で正確な判断が必要な現場の意思決定にも役立てられる。
 テラ・クラウドは南相馬市で研究開発を行い、2021年7月に発生した熱海市土砂災害の調査では実際に社会実装している。

 また、テラ・クラウド導入拡大のため、ACSLが開発したセキュリティの高い国産ドローンを自治体や消防等で活用できるよう支援し、災害対策DXを推進するとしている。
 インフラ企業向けの災害対策支援にも注力し、ドローン等による測量や3次元データを使った平時からの災害リスク診断に加え、災害発生時の迅速な意思決定支援によるインフラサービスの復旧支援を行っていく。

 加えて、長距離無人航空機テラ・ドルフィンの開発を進めることで、広域災害対策情報の収集を円滑に行うとともに、同社が目指す地域社会の未来を守る事業を早期に実現させていくとしている。

出資者のコメント

ACSL 取締役CFO 早川 研介氏

 株式会社ACSLは、ドローンメーカーとして、ドローンを活用した社会課題の解決に向けた取り組みを進めており、その一つとして防災・災害分野における災害状況把握等に利用するドローンを提供してまいりました。

 テラ・ラボ社がこれまで様々な自治体と連携し作り上げてきた広域災害対策情報支援プラットフォームと、ACSLのドローンを組み合わせることで、災害対策DXがより発展し、テラ・ラボ社とACSLが目指す防災・減災が強化された社会が実現できるものと考えております。

 今後も自治体や警察・消防等へのドローンの供給を通して、テラ・ラボ社との連携を深めてまいります。

DRONE FUND 代表 大前 創希氏

 私どもDRONE FUNDは、2020年5月、株式会社テラ・ラボ社にVCとして初参画し、成長を加速していく支援を重ねてきました。その中で国内の数多くの災害発災時におけるテラ・ラボ社の活動内容から、ドローン技術の発災時運用の重要性を改めて強く認識し、今後の災害対策DXの発展を確信するに至りました。

 そのなかで、テラ・ラボ社が開発を進める長距離無人航空機は、今後、国土情報のデジタル化に欠かせない技術になり得ると考えており、引き続き、強く支援していく所存です。