2021年7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区で発生した土石流災害を受け、テラ・ラボは、災害発生直後から現地入りし、ドローンやヘリコプター、衛星を活用した被災現場上空周辺の調査を実施したことを、2021年7月8日に発表した。

 災害発生当時は、要救助者の救出とともに救助者の安全確保も重要視されていたため、同社は捜索活動に役立つよう地図を作成した。撮影した動画、写真データをオルソ画像(真上から見た全体写真)に解析した後、同地区の被災前の地図と重ね合わせるなどして、災害発生から2日後には精密な共通状況図のベースマップを一般公開した。この共通状況図は、防災科学技術研究所が運用する、災害対応に必要な情報などを集約した「防災クロスビュー」にも公開された

テラ・ラボが作成した共通状況図ベースマップ。災害対策クラウド情報支援プラットフォーム「テラ・クラウド」にて共有している

 この共通状況図は、防災クロスビューへの公開と同時に、災害対策本部にも共有し、自衛隊や警察、消防などの捜索用地図として活用された。

 同社は今後も定期的に現地入りし、二次被害の危険性などについて調査を進めるとともに、大規模災害発生時には関係機関と連携して災害情報を支援する災害対策DXを目指すとしている。

テラ・ラボの取り組み(タイムライン)

7月3日(土)
10:30頃熱海市伊豆山地区の土石流発生
14:00災害情報取集
15:00ヘリ飛行計画
16:00愛知から静岡・熱海市へ移動(新幹線)

7月4日(日)
2:00現地ホテル到着
8:00現場周辺調査開始
10:30ドローンによる映像空撮(土石流周辺の上空)
11:30社内チーム・災害関連有識者と情報共有、共通状況図作成に向け協議
20:00翌日のフライト計画

7月5日(月)
4:00地上視察およびフライト計画再確認 ※土木専門家等の意見も踏まえ検証
→データ取得箇所決定
5:00ドローンフライト開始(3次元データ解析用空撮実施)
6:00空撮データ本社伝送、解析
9:00オルソ画像生成処理
13:00ヘリフライト(R44)開始
18:00オルソ画像(被災後)に同地区の住宅地図(被災前)と重ね合わせ
→共通状況図を作成
18:30共通状況図を提供
→5日夜までに防災科研、自衛隊、警察、消防、報道機関等へ共有
熱海市・土石流現場俯瞰(ドローン空撮)
熱海市・土石流現場(ドローン空撮)
ヘリコプター(ロビンソン44) 搭乗
ヘリコプターからの俯瞰