2022年2月7日、ブルーイノベーションは、プラントや工場などの施設をロボットが定期的に自動巡回し、点検・保守業務を効率化する自動巡回点検ソリューション「BEPサーベイランス」を開発したことを発表した。また、4月１日からトライアル検証を開始するにあたり参加企業を募集する。サービス開始は2022年秋を予定している。

施設内を自動巡回するAGV

　同サービスは、5G端末や360°カメラ、マイクなどのデバイスやセンサーを搭載した複数の自動走行ロボット（以下、AGV）を、現場で人が介在することなくプラントや工場、倉庫などの施設内で定期的に巡回させる。撮影した設備状況や計器の数値などのビックデータをクラウド上で管理・データ化し、レポートまでを自動化する。

「BEPサーベイランス」の管理画面

　BEPサーベイランスは、ブルーイノベーションのデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform」（以下 BEP）をベースに開発。BEPにより統合管理された複数のAGVが事前に指定された施設内のルートを定期的に自動巡回しながら、設備の状態や機器の数値などを撮影・収集しデジタル化する。取得したデータはBEPに蓄積・共有され、点検対象ごとにレポート出力される他、BEP上でドローンやカメラに新たなミッションを自動で付与し遂行させる。

BEPサーベイランスの管理・運行画面（例）
AGV搭載カメラにより計器類を撮影
撮影したアナログ計器類の数値をリアルタイムにデジタル化
施設壁面のひび割れ等をAIで自動検出
機器の稼働状況（ON／OFF）を自動検知

　トライアル募集に先行して、BEPサーベイランスを活用した「自動巡回点検ソリューション」の提供をトッパン・フォームズと共同で開始し、2022年1月から、東日本旅客鉄道（JR東日本） 東京総合車両センターでの列車保守点検業務においてトライアルを開始している。

　同社は、今秋からのサービス開始に向けたトライアルと共に、ドローンによる施設内の全自動巡回システムの開発を進め、今回のAGVによる自動巡回とドローンによる自動巡回を連携させた「ドローン＆AGV全自動巡回」トライアルサービスの提供を2022年度中に開始する予定だ。