VFRと藤和那須リゾート、ブルーイノベーションは、ドローンの認知向上と理解促進に向けた「Hello DRONE Project」の第二弾として、2021年11月17日よりドローン空輸サービスの実証実験を開始する。

 期間は2021年11月17日から2022年12月を予定しており、2021年12月からは一般モニターが参加する形式で実施する。場所はTOWAピュアコテージ。ピザ、BBQ用食材といった飲食メニューや、サプライズプレゼント(婚約指輪、乾杯用ドリンク・ノンアルコール)を広大な敷地に点在する各コテージに空輸する。ドローンは、2kg程度の重量までは「ACSL-PF2」、それを上回る場合はPRODRONE「PD6B-Type3」を使用し、空輸時間は約3分、空輸距離は約894mとなる。運航管理システムはブルーイノベーションの「Blue Earth Platform」を活用する。

PRODRONE「PD6B-Type3」

 那須ハイランド全体を見渡すことができる千景台のリゾート施設をプロジェクトに使用し、エンタメと実証実験の両立を図るとしている。また、広大な敷地内で課題となっていた物流問題を解決する手段や、災害時に迅速なドローン活用を行える環境作りとしても期待しているという。

 同サービスは、2022年春に藤和那須リゾートへの導入を予定しており、この実証実験での検証を経て、提供するサービス内容を決定する方針だ。

 藤和那須リゾートは、同施設でのドローン空輸サービスの認知を広めるため、2021年12月にSNS等の公募で一般無料モニターを募集し、PR動画撮影を行う予定。また、今回実証を行うドローンによる食材搬入やサプライズプロポーズの他、誕生日祝い・還暦祝いなど、老若男女を対象とするドローン演出を行いブランド力向上を図るという。今後、ウェディング企画会社との協業で演出としての技術提供や、ドローンを使用した空中アート演出、動画撮影サービスの展開も予定している。

窓から見下ろせるレストランからドローンが飛び立ち、徐々に近づいてくる様子を眺めることができる。

 Hello DRONE Projectは、ドローンの認知向上と正しい理解促進に向け、特に「エデュケーション」「エンターテイメント」「ショッピング」へのドローン活用を推進するため、VFRと藤和那須リゾートが18の賛同企業と共に2021年10月に発足。第一弾では趣旨に賛同する各社が共同で、ドローンが人々の「ライフ」に寄り添っていくための取り組みを行っていくことを発表した。第二弾となる今回は、主に「エンターテイメント」にフォーカスし、ドローンが世の中の生活者と楽しく共存する未来を目指す。

 経済産業省 関東経済産業局がSUNDREDと推進している「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」の、那須地域におけるドローン産業の共創プロジェクトとして、VFRと藤和那須リゾートを中心に、ブルーイノベーションがACSL-PF2のドローン運航システムを提供する形で始動した。

実証実験で使用する産業用ドローン

<ACSL-PF2>

 災害時の調査や支援物資輸送、ビジネスでの物流・宅配、インフラ点検など、さまざまな用途にあわせて機能拡張できる純国産のプラットフォーム機体。

<PRODRONE PD6B-Type3>

 ドローン配送事業の本格運用にも採用されている最新機体。高い安全性、前方衝突防止機能など高い適応性と安定したフライトを実現する。国土交通省の飛行許可申請レベル3にも対応。