福井県敦賀市とセイノーホールディングス(以下、セイノーHD)、エアロネクスト、NEXT DELIVERYは、1月20日~21日に敦賀市愛発(あらち)地区においてドローン配送実証実験を実施した。

 同実証実験は、2021年11月に敦賀市、セイノーHD、エアロネクストの3者が、敦賀市が目指す水素・再生可能エネルギー・ゼロエミ物流等の脱炭素化の取り組みによる高齢化や過疎化等の地域課題の解決に向けて締結した包括連携協定に基づき行うもの。次世代高度技術の活用により新しい物流のビジネスモデル構築を目指し、「市街地・過疎地連結型ドローン物流」のモデルケースとする狙いだ。

 具体的には、セイノーHDとエアロネクストによるドローン配送と陸上輸送を融合したスマート物流「SkyHub」の社会実装を目指し実施するもので、ドローン配送サービス事業を主体とするエアロネクスト子会社のNEXT DELIVERYが行う。

 なお同実証実験は、環境優良車普及機構より「令和3年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金交付対象事業(社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業)」として採択されている。

飛行するエアロネクストの物流専用ドローン(敦賀市愛発地区)

 物資や商業施設が集積する市街地と過疎化が進行している愛発地区への「市街地・過疎地連結型ドローン物流」を想定し、今年度は同地区内において、住民の理解度向上、定期飛行に向けた課題の洗い出しを目的として、仮設のドローンデポとドローンスタンドを設置して実証実験を実施する。

 市街地から離れた愛発地域に住む交通弱者等への買物支援を想定し、住民がSkyHubアプリで注文した地元スーパーの食料品の詰め合わせセットを、仮設のドローンデポ(愛発地区公民館)から愛発地区の3カ所の仮設ドローンスタンドまでドローンで配送する。往復距離は約1.4km~2.3kmとなる。

配送を終え離陸するドローン(疋田会館前)
商品を受け取る注文者。アプリによる注文から約5分後には奥野地区疋田会館にドローンで配送された(片道約0.7km)。
実証実験の背景や概要を説明する 敦賀市長 渕上隆信氏(右)、セイノーHD執行役員 河合秀治氏(中央)、エアロネクスト代表取締役CEO 田路圭輔氏(左)。

 来年度を目標に、市街地と愛発地区が結節する地点に各社荷物等を集約化するドローンデポを、愛発地区内にドローンの着陸地点となる複数のドローンスタンドを設置し、地上配送と将来のドローン配送を想定した買物代行サービスから開始するとしている。

実証実験の様子(エアロネクスト YouTubeチャンネル)