2022年1月20日、AirXは、中国の空飛ぶクルマメーカー EHang Holdings Limited(以下、EHang)と事業提携し、EHangが開発する「EH216」シリーズの自律飛行型航空機(AAV)に関する、日本国内におけるプレセールス契約を締結したことを発表した。EH216を活用して日本でエアモビリティ市場を展開するため、まずは大阪万博での運航を目指すとしている。

 EH216は小型で操縦性が高く機体サイズも小さいため、より多くの場所で離発着を容易に行うことができる。静音性が高く、既存の航空機では実現が難しい短距離の移動に適している。
 複数のプロペラによる分散推進システムと、あらかじめルートを設定した完全自動飛行、電源の二重化による完全バックアップ設計を採用しており、ヒューマンエラーによる事故の危険性を回避する。
 主要な飛行部品をフルバックアップ設計した「Fail Safe」システムを内蔵し、地上のコントロールパネルシステムとリアルタイムで4Gまたは5Gの高速ネットワーク接続することで、緊急事態にも安全な方法で対応が可能だ。
 パイロットレスを実現し、電気で駆動するため環境面にも配慮されており、都市部での飛行に適している。

旅客輸送用:EH216(Passenger Transportation)
利用目的:都市間の旅客輸送、観光地での遊覧飛行など
最大積載量:220kg

物資輸送用:EH216(Logistic)
利用目的:建設現場や山小屋、救命医療等の物資輸送
最大積載量:250kg

 EHangは2021年11月の時点で、EH216シリーズのAAVを活用し、旅客および物資輸送、観光遊覧、救急医療対応などにおいて2万回以上の試験運航を実施している。

 AirXは、今後日本のエアモビリティ市場の発展には安全性、静音性、自律運航、コスト改善等を実現する航空機が必要になると考えており、EH216により、多くの人々が空を身近に活用できる世界を目指すとしている。