2021年12月17日、大韓航空は、複数のドローンを同時に使用して飛行機を検査する技術を開発したことを発表した。

 飛行機の検査は、これまでは作業員が高さ最大20mの場所から肉眼で確認していたが、近年ではドローンを使用することで事故リスクを減らし、正確かつ迅速に整備を進めることができるようになった。ドローンを活用した飛行機検査は各国の航空会社で導入を始めているが、今回同社が開発したのは複数機を同時に使用する技術で、これによりさらに整備時間を短縮し、安定性も高めた。

 同社が製作したドローンは、縦横約1m、重量5.5kgで、4機を同時に飛ばせて飛行機の胴体部分を検査する。事前にプログラミングされた領域をそれぞれ飛行して映像を撮影し、万が一いずれかのドローンが故障した場合は残りのドローンが自動的にカバーし、計画した撮影を完了するという。

 ドローン4機を同時に使用した場合、検査時間は肉眼で行う場合の約10時間から約4時間となり、運航定時性を大幅に向上させることが可能となる。また、ドローンに装着している高性能カメラは1mmまで識別可能で、肉眼では見つけにくい微細な損傷まで正確に検出。任務領域防止のための安全飛行領域(ジオフェンス)機能も備える。同社では検査データをクラウドで共有し、場所や時間を選ばず結果を確認できるようにしている。

 大韓航空は今後、ドローンの安全性や使いやすさ、安定性や検査精度などを引き続き精査し、試験運営を経て2022年中に正式運営する方針だ。