愛三工業は、豊田市つながる社会実証推進協議会との取り組みの一環として、2021年12月8日にエンジン発電機と蓄電池を搭載したハイブリッドドローンの飛行・給電実証実験を実施した。災害発生時に、停電のないエリアから孤立集落へ発電機を搭載したドローンを飛ばし、孤立集落での給電に活用する。同社によると、災害発生時の被災想定地域におけるドローンを活用した給電の実証実験は国内初の取り組みだという。

ハイブリッドドローンの機体
飛行イメージ

 実証実験では、「豊田市地震被害予測結果報告書」において孤立の可能性が高いとされる稲武地区を選定。地元関係者の協力のもと、遠隔地からドローン飛行を行い、搭載した発電機から家電への給電が可能かを検証した。

 当日は名倉川上約2kmを約15分間かけて飛行し、被災直後に必要とされる充電器やポット、水汲みポンプ、照明、扇風機などの家電製品に給電を行った。現在の仕様では、約10名程度の避難所で使われる1日分の電力を供給できる計算だという。

 愛知県豊田市は全域が地震防災対策強化地域に指定されており、南海トラフ地震など震度7クラスの災害発生時に、市内山間地域において土砂崩れによる孤立集落の発生が想定される。地震発生と同時に停電するケースも多く、孤立集落における電力供給は課題の一つとなっている。

離陸後、約15mの高さで飛行
災害初動時に必要な家電に給電

ハイブリッドドローン 主な仕様

最高速度15km/h
最大離陸重量36㎏
最大ペイロード(燃料含む)4kg
対応天候雨天および風速5m以上等の悪天候時以外
飛行方式自律飛行/マニュアル(飛行中に切り替え可能)
搭載物(例)DC/ACインバータ(定格700W)
製作会社愛三工業