2021年11月10日、Japan Innovation Challengeは、山形県尾花沢市と、ドローンによる夜間の捜索支援サービス「NIGHT HAWKS」の協定発表会・遭難救助支援デモンストレーションを開催した。

 これは、両者が8月30日に締結したドローンによる夜間の捜索支援サービスに関する連携協定を受けて実施したもので、11月1日より同サービスの提供を開始した。山岳遭難等が発生した際、一般的には二次災害の恐れから捜索が行われない日没後にドローンを活用して上空から遭難者を早期発見することを目的としている。

協定発表会の様子
遭難救助のデモンストレーション

 尾花沢市はやまがた百名山認定の山が5つある、県内でも有数の登山の名所である。初心者向けの手軽な登山から本格登山まで楽しめることから、毎年多くの観光客が訪れる。「万が一の遭難や負傷への備えをしっかりとしておくことで、一人でも多くの観光客が安全に屋外レジャーを楽しめる環境を整えたい」という市側の意向により、同連携協定の締結に至ったという。

 同サービスでは24時間365日対応可能な受付窓口を用意。自治体や遭難対策本部を通じてサービスの窓口へ支援要請が入ると、事故の発生地域や環境に応じて適切なドローンスペシャリスト(地域担当)に出動を要請する。ドローンスペシャリストは標準システム(機材、ソフトウェア、手順等)を携えて現地に向かい、遭難対策本部と協議のうえ本部の指示に従い捜索支援を実行する。

 標準システムは地域に常備し、捜索支援時にドローンスペシャリストが捜索現場に携行する。同システムは、運用・訓練、保守・点検を含み、捜索支援時に最適な状態で使用できるよう維持・管理を行う。

 同サービスの東北拠点となる岩手県花巻市には、捜索支援に必要な車両や標準システムを設置している。

捜索支援イメージ

支援内容

1. 遭難発生時、現地遭難対策本部等からの支援要請を24時間365日対応で受付
2. 遭難場所、遭難状況などから適切なドローンスペシャリストを現地に派遣
3. 現地遭難対策本部等の指揮・命令の下で以下を実施
・撮影:ドローンの赤外線カメラを用いた撮影・データ解析・報告
・捜索支援:ドローンの照明を用いた捜索隊の誘導等
4. 自治体、消防等に向けた報告書の作成・報告
5. 捜索支援に必要なドローン、カメラ等の必要な機材・ソフトウェア・手順を標準システムとして整備

捜索支援の流れ