2021年10月7日、6つの企業、2つの大学で構成される産学連携海洋ごみ削減プロジェクト「Debris Watchers」のドローンサブチームは、山形県鶴岡市の協力のもと、同日鶴岡市の海岸において、ドローンとAIを活用した海洋ごみ解析の実証実験を行い、有効性を確認したことを発表した。

 海岸の撮像は、ACSLの国産ドローン「PF2」を用いて実施。撮影画像からの海洋ごみの解析と調査レポート作成は、Ridge-iが開発する海洋ごみ解析AIアプリケーションを活用した。

ACSL製の国産ドローン「PF2」で、高度20mから空撮を実施。
Ridge-iが開発した海洋ごみ解析AIを使用し、ごみの分布状況や量を解析。撮像画像(左)、海洋ごみ解析AIの出力結果(右)。

 ドローンサブチームは、海岸地形として分類される岩石海岸(2020年長崎県対馬市)と砂浜海岸(2021年山形県鶴岡市)の双方に対応した海洋ごみ解析AIを開発し、実際にごみ判別できることを確認した。

 環境省の調査では日本海側の地域に海洋ごみが多い傾向との報告があり、沿岸に位置する鶴岡市においても漁港・海水浴場などの環境整備に力を入れている。その実態の把握と負担軽減に向けて、2018年度より同プロジェクトメンバーの日本ユニシスが行うDX活用による海洋ごみ定点観測に実験フィールドを提供しており、今回の実証実験でも協力を得た。

 なおこの取り組みは、海洋ごみ削減とビジネス創出を目指す「プロジェクト・イッカク」の一環で実施した。

 Debris Watchersは、来年度からの自治体・観光地向けに「ドローンによる海洋ごみ解析サービス(β版)」を提供する予定である。同サービスでは、沿岸部の漂着ごみをドローンを用いて空撮し、AIで種類や量などの解析を行う。最大5kmの沿岸部を空撮し、漂着ごみの画像データを取得。それをAIにより解析し、ごみを9種類に識別して海岸に占めるごみ量を推定(概算容量・重量)する。ワンストップサービスとして、実施計画からレポート提出までを行う。

実証実験の概要

日時
2021年10月7日

場所
山形県鶴岡市の海岸

目的
ドローンで砂浜海岸を上空から撮影した画像をAIで解析し、海洋ごみ判別技術の実用性を検証する。

実証実験の構成員
実施責任者:井上翔介(ACSL)
ドローン空撮:ACSL、ドローンクリエイト
AIによる画像解析:Ridge-i
コーディネート・広報:日本ユニシス、DRONE FUND