2020年7月31日、DRONE FUND(以下ドローンファンド)は、2019年より参画する海ごみ削減共同研究プロジェクト「Debris Watchers」の構成メンバーとして、長崎県対馬市の上槻海岸(同市厳原町上槻)において、ドローンとAIを活用した海岸漂着ごみの検知システムの開発進捗と、デモ飛行の模様を報道関係者に向けて公開した。

ACSL製の国産ドローン「ACSL-PF2」機で、高度20mから空撮を実施

 なお、この取り組みは、海洋ごみ削減とビジネス創出を目指す「プロジェクト・イッカク」の一環で実施している。プロジェクト・イッカクの採択を受けているDebris Watchersは、6つの企業、2つの大学で構成され、人工衛星・ドローン・地上型設置デバイス・AIの連携による海岸漂着ごみ検知システムを開発している。

実証実験の概要

日時2020年7月31日(金)13:30~14:30
場所長崎県対馬市の上槻海岸(同市厳原町上槻)、上槻地区公民館(同左)
目的上槻海岸の上空からドローンで撮像した画像をAIで解析し、プラスチックごみをはじめとする海岸漂着ごみの画像認識技術の実用性を検証すること。
実証実験の構成員・実施責任者:井上翔介(株式会社自律制御システム研究所、以下ACSL)
・ドローン空撮:ACSL、株式会社ドローンクリエイト
・AIによる画像解析:株式会社Ridge-i
・コーディネート・広報:長崎大学、ドローンファンド
備考新型コロナウイルスの感染防止策として、主催者・参加者ともに下記4点を徹底
(1)マスクの着用、(2)屋内施設入口等での非接触検温・手指消毒の実施、(3)屋内施設での距離を取った座席配置、(4)屋内施設内の換気

 海岸の撮像は、ACSLが開発する高信頼設計の国産ドローン「ACSL-PF2」などを用いて実施した。今回、空撮画像に占めるごみ面積から回収要否の判断を支援するべく、Ridge-iを中心に開発してきた独自のAIを活用した結果、少ない学習データでも正常にごみの識別を行えていることが明らかとなった。

Ridge-iがごみ識別AIを初期的に開発し、今回はそのAIの評価試験を実施

 ドローンファンドは、今後もDebris Watchers/プロジェクト・イッカクでの活動などを通じて、海ごみをはじめとする社会問題に対し、ドローン・エアモビリティをはじめとする空のテクノロジーがどのように貢献できるか、それをどうビジネスにつなげていけるのかについて、その可能性の開拓に取り組んでいく、としている。

プロジェクト・イッカク概要

 日本財団、日本先端科学技術教育人材研究開発機構(JASTO)、リバネスが共同実施する「プロジェクト・イッカク」は、海洋ごみ削減とビジネス創出を同時に実現する事業モデル構築を目指し、ベンチャー企業を中心とした超異分野チームを組成して推進している。2019年より3つのチームが採択されている。https://ikkaku.lne.st/

Debris Watchers概要

 衛星とドローン、そして地上の定点観測装置を組み合わせて、長期・網羅的な観測及び詳細分析が可能な海ごみ診断システムを開発することにより、漂着ごみの削減と地域課題の解消、そして新たなビジネスの創出を目指す。ベンチャーを中心に6つの企業、2つの大学で構成されている。https://coastal-cleanup-satellite-drone.com/