2021年9月24日、岐阜薬科大学は、岐阜ファミリーパークにおいてモバイルファーマシー(災害対策移動薬局車両)への医薬品等の輸送におけるドローンと情報共有システムの有用性を検証する公開実証実験を、9月21日に行ったことを発表した。

 実証実験は、同大学の地域医療実践薬学研究室(林秀樹教授)が実施。大規模災害の被災地で活動するモバイルファーマシーへ医薬品等を迅速に供給するため、ドローンを活用できるか検証を行った。あわせて、薬剤搬送中のドローンの監視や確実な薬剤の受け渡しを記録するため、インターネットを利用した地図付き映像共有システム「Hec-Eye」の有用性も確認した。

「美濃地方を震源としたマグニチュード8の濃尾地震と同規模の大地震が発生」「岐阜市内に避難所が開設され、岐阜、静岡、三重の3県のモバイルファーマシーが活動中」「道路破損や渋滞等により陸路による医薬品供給は困難」「モバイルファーマシーで必要な医薬品を他のモバイルファーマシーから借りることができれば、被災者へ迅速な医療支援が可能」との想定で実験を行った。

 実際に岐阜、静岡、三重の3台のモバイルファーマシーを、500m~1km離れたお互いに見えない場所に配置し、ドローンによりモバイルファーマシー間で医薬品を輸送。Hec-Eyeを用いてインターネットでGPS情報と医薬品の受け渡し記録を確認した。

 この実証実験は、持続的な産学共同人材育成システム構築事業「進化型実務家教員養成プログラム(TEEP)」(文部科学省)の一環として実施。実験の内容は、TEEPの授業において再現性を確認する。

研究代表者 :岐阜薬科大学 地域医療実践薬学研究室
共同研究者 :リアルグローブ
研究協力者 :岐阜県薬剤師会/静岡県薬剤師会/三重県薬剤師会/愛知県薬剤師会/T&T/E.F.E/救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会