オートバックスセブンは、2019年3月に大分県と地域活性化に関する包括連携協定を締結し、地域活性化に関する8つの取り組みを行っている。同社の子会社であるエー・ディー・イーは、地域活性化に関する取り組みの一つである介護福祉分野における移動支援・生活支援として、訪問医療時の突発的な医療品不足の解消による地域医療の負担軽減を目的に、大分県竹田(たけた)市 宮砥(みやど)地区でドローンによる医薬品配送の実証実験を2021年2月4日に実施することを、1月28日に発表した。

 大分県竹田市の宮砥地区は、現在地域医療の拠点となる診療所がなく、40km離れた大久保病院が週に1度訪問診療を行っている。訪問診療においては事前に処方した医薬品を準備しているが、現地での診療の内容によって、想定していなかった医薬品が必要になる場合もある。その際、即日の処方ができず、後日配送になるといった時間的なロスが発生し、より効率的な医薬品の配送が課題となっている。

 今回、ドローンによる医薬品の配送の実用化に向けた実証実験を行い実用化されれば、離れた地域においても医薬品の即時配送が可能となり、慢性症例以外の症状への対処時間を短縮することができる。地域医療の向上とともに、過疎山間地で拡大するへき地医療への負担軽減を図ることにつながる。

実施体制

 実証実験は自治体・企業・団体あわせて7者の協力のもと実施する。

実施機関役割分担
エー・ディー・イー事業主体・運行管理・機体調達
大久保病院実証フィールド提供
医師会・薬剤師会との調整
オーイーシーシステム開発
エアロジーラボハイブリッド型ドローンの開発および製作
ハイパーネットワーク社会研究所事業サポート
大分県および大分県竹田市関係者調整・地元調整

ドローンによる医薬品配送の実用化イメージ

【導入前】準備していた処方薬で対応できない場合は後日配送
【導入後】想定していなかった症例でも必要な医薬品をすぐに提供


 本実証実験の第2フェーズでは、山間地域や島しょ部などにおけるサービス提供を視野に入れ、エアロジーラボが開発する120分以上・100km以上飛行可能な産業用ハイブリッド型ドローンを使用して効果実証を進める予定である。将来的には、災害発生時のような緊急の際に、避難所への医薬品配送などにも活用することで地域における防災力向上に貢献する、としている。