2021年9月14日、SkyDriveは、大阪府、大阪市と、大阪における空飛ぶクルマ実現に向けて連携協定を締結したことを発表した。今後、相互の連携を図り、科学技術の発展、防災機能の強化、イノベーションの創出、地域活性化および2025年大阪・関西万博に向けた機運醸成を推進するとしている。

 具体的には、空飛ぶクルマの社会実装およびビジネス化に向けた実証実験の実施、検証結果の共有を行う。また、情報発信、セミナー、イベント等による空飛ぶクルマの社会受容性の向上、事業環境の整備、大阪のスタートアップ・エコシステムの活性化などに取り組む。

2021年9月14日にアジア太平洋トレードセンターにて行われた連携協定締結式の様子。左から、大阪府知事 吉村洋文氏、SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏、大阪市市長 松井一郎氏。

 大阪府は、2020年11月、大阪における空飛ぶクルマの社会実装に向けた動きを加速させるため、具体的で実践的な協議・活動を行う「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」(以下、ラウンドテーブル)を設立。

 SkyDriveは、2025年の万博開催時に大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現を目指しており、運航事業者やポート事業者が早期に具体的な事業検討できる素地を作り、また地域住民の理解を促進して社会受容性を高めるため、ラウンドテーブルに参加している。

 この活動の取り組みの一つとして、空飛ぶクルマの認知度や社会受容度を確認し、将来的な事業の可能性を検証するために、今秋、大林組、関西電力、近鉄グループホールディングス、東京海上日動火災保険と共同で、「大阪ベイエリアにおける、空飛ぶクルマによるエアタクシー事業性調査」を実施する予定だ。

 今後、空飛ぶクルマの認知度や社会受容度を上げるためには、継続的な取り組みや新たな取り組みを実施する必要があると考え、大阪府、大阪市と協定を締結するに至ったという。

 SkyDriveは、空飛ぶクルマの開発および実用化を通じた、新産業や新規ビジネスの創出、防災機能の強化などにより、大阪経済の発展、安心で便利な暮らしの実現に貢献していく、としている。

空飛ぶクルマの実現に向けた連携協定

<締結日>
2021年9月14日

<提携目的>
 空飛ぶクルマの開発および実用化等を通じて、科学技術の発展、防災機能の強化、イノベーションの創出、地域活性化および2025年大阪・関西万博に向けた機運醸成等を推進すること。

<提携内容>

1. 空飛ぶクルマの社会実装およびビジネス化に向けた実証実験に関すること

実証実験の実施
空飛ぶクルマの社会実装に向けた課題抽出やビジネス化をめざした府内での実証実験の実施

検証結果の共有
実証実験において得られた知見および情報などの検証結果について、企業秘密に関する部分を除き、ラウンドテーブルにおいて情報共有する

2. 空飛ぶクルマの社会受容性の向上など環境整備に関すること

情報発信
実証実験やイベント等に関する情報発信
ホームページやSNS等を活用した、海外を含む府内外への情報発信

セミナー、イベント等の実施
各種セミナー、ワークショップ、プレゼンテーション、学生向け啓発講座等のイベントの開催

事業環境の整備
ラウンドテーブルなどにおいて、空飛ぶクルマに関する知見を関係事業者間で広く共有するなど空飛ぶクルマ事業の推進に向けた環境整備を図る

3. 大阪のスタートアップ・エコシステムの活性化に関すること

府内中小企業・スタートアップとの連携、オープンイノベーションの機会の提供
商談会や交流会・ピッチイベント等を通じたビジネスマッチング機会の提供

情報、経験、ネットワークの共有の場や機会の提供
府内外の事業会社、スタートアップ、大学、各種専門機関等のコミュニティ形成促進を目的とした場の提供と交流機会の創出

2025大阪・関西万博に向けたエコシステムの活性化
万博を実証・実装の場とするスタートアップの呼び込みの推進

各者コメント

大阪府知事 吉村洋文氏

 大阪府では、大阪での「空飛ぶクルマ」の実現に向け、「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」を昨年11月に立ち上げ、2025年大阪・関西万博をマイルストーンに官民一体で取り組んでいます。このたび、SkyDriveさんという力強いパートナーと連携協定を締結し、相互に連携を強化することで、さらに一歩実現に近づくものと期待しています。一日も早く、空飛ぶクルマが飛び交う未来の大阪を作って行きます。

大阪市市長 松井一郎氏

 「空飛ぶクルマ」の実現は、移動時間の短縮や利便性の向上に加え、災害時の搬送や観光資源としての活用など、様々な行政課題の解決にもつながるものです。大阪湾に面し、多くの産業が集積する大阪には、「空飛ぶクルマ」を実現し、新たな産業として発展させるだけの土壌があります。今回の連携協定により、「空飛ぶクルマ」の万博での飛行実現並びに大阪でのビジネス化に向けた取組がより加速され、大阪でのイノベーションの創出や産業振興につながることを大いに期待しています。

SkyDrive代表取締役CEO 福澤知浩氏

 大阪府さん大阪市さんとは、空飛ぶクルマ実装に向けた議論を継続的にさせて頂いてきましたが、今回の協定で実用化の実現にまた一歩近づくことができました。大阪は、万博を始めとする新しいモノを輩出する環境があるのに加え、空港や湾岸エリアと都市部が、海や河川でつながる地形となっており、日本のエアモビリティのスタートに最適な場所と感じております。空飛ぶクルマにより日常の移動に空が活用できるようになり、便利さと楽しさを提供するのに加え、防災機能の強化、イノベーションの創出、地域活性化など、皆様の期待に応えられるよう推進して参ります。