2021年9月13日、キビテクは、ピーエムティー社のオフィス内において、同社が開発中の高度自律型遠隔制御システム(以下 HATS)の試験運用を実施したことを発表した。

 HATSは、遠隔オペレータが簡単な操作で要点のみをロボットに指示することで、停止したロボットの復旧などの対応を効率的に行えるようにするサービスである。既存の自律搬送ロボットにアドオンすることで遠隔制御が可能となる。

 今回の試験運用では、匠が開発するオゾンガスによる空気除菌を行う自律搬送ロボット「タクミクリン」に遠隔制御用の装置を追加し、HATSのシステムと接続することで、遠隔のオペレータからの制御を行った。

 自律搬送ロボットは、経路上に障害物が存在すると安全機能により停止することがあり、復旧作業が必要となる。試験運用では、自律走行中のタクミクリンがオフィス内の通路上に障害物があって停止した際に、HATSによりネットワーク経由で遠隔のオペレータに通知が送られ、オペレータが状況確認と復旧作業を行い再び自律走行の状態に戻す、という一連の流れを行った。

 その結果、自律搬送ロボットの停止状態からの復旧を遠隔からスムーズに行うことができ、効率的な運用が可能になることを実証した。

<試験運用の様子>
(左上)HATSをアドオンしたタクミクリン
(右上)通路上の障害物で停止した様子
(左下)遠隔のオペレータが操作する様子
(右下)オペレータ画面(ロボットカメラとLiDAR情報)

 同社は今後、さまざまな既存の自律搬送ロボットにHATSを搭載し、オフィス環境の巡回のほか、物流・工場等の施設内の搬送、警備・清掃・点検等のサービスへの適用も視野に入れ、実運用に向けて開発を行っていくとしている。

高度自律型遠隔制御システム(HATS)の紹介動画(キビテク)