2020年12月4日、ティアフォーは、公道での自動運転を実現するための遠隔監視・操縦機能を搭載した小型自動搬送ロボット「Logiee S1(ロージー・エスワン)」を開発したことを発表した。

開発の背景

 Eコマースの普及に伴う物流量の増大や施設管理の大規模化が進み、対応する人手不足が深刻化している。さらに、新しい生活様式が広まる中、人手を介さない遠隔・非対面・非接触の配送・作業ニーズが高まっている。
 ティアフォーが有する自動運転技術を小型自動搬送ロボットに導入することで、配送コストの削減や人手を介さない新たなサービスの早期実現に貢献する。

Logiee S1概要

 物を運ぶことを意識した超小型車両。前後にLiDARを搭載し、左右のタイヤを独立して制御できるため小回りが効き、屋内屋外共に走行が可能である。Logieeという名称はロジスティクスから来ており、車両上部に物を運ぶためのモジュールを脱着することができる。遠隔監視・操縦機能を搭載し、基準緩和申請など諸条件を満たすことで公道走行が可能となる。

 Logiee S1は、自動運転機能と各種サービス機能がモジュールとして分離されている特徴をもつ。自動運転機能は共通のベースモジュールとして提供され、小回りの利く超小型車両として歩道や公道を走行可能な基準を満たしている。

 一方、各種サービス機能モジュールはニーズに合わせて作製することが可能で、大きさと重量の規格を満たせば、どのような形態でもベースモジュール上に脱着できる。たとえば、宅配モジュールを取り付ければ宅配ロボットとして、ベースモジュール単体でも台車ロボットとして利用できる。

参考:岡山県玉野市実証における仕様

今後の展開

 LogieeS1は、岡山県玉野市において12月4日から12月11日までの期間中に、遠隔監視・操作による小型自動搬送ロボットを活用した公道での実証実験に提供される。以降、全国各地で行われる実証実験への提供を進めていく。
 合わせて、小型自動搬送ロボットの活用フィールドは多岐にわたるため、ティアフォーが得意とする自動走行に、配送や清掃など新しい価値を付加するパートナーとの連携を拡充し、小型自動搬送ロボットによる社会課題解決への可能性を広げていく、としている。


参考 :玉野市「国内初・ルート最適化技術を利用した低速・小型自動配送ロボットの公道走行の実施について」(2020年12月4日)