2021年9月2日、テトラ・アビエーションは、米国で実験航空機としての認証を取得し、空飛ぶクルマ「Mk-5(マークファイブ)」の販売に向けた無人飛行試験を開始したことを発表した。有人飛行試験の後、キットプレーンとして販売する。

 テトラ・アビエーションは、8月16日(米国時間)に、米国内でMk-5の飛行試験等を行うための認証を取得。現在、サンフランシスコ近くの空港で試験飛行を行っている。

 予約販売は7月下旬から開始しており、問い合わせは100件以上あるという。米国や日本をはじめとした個人に対し、ホームビルト機のeVTOLとして予約を進め、2022年末のデリバリーを予定している。

開発中のMk-5

 同社は米国内で実機体の試験飛行等を行うため、米国連邦航空局(FAA)より、米国空域で安全に飛行させることができる研究開発用航空機等を対象とした「特別耐空証明証」と、米国空域で運用する際に必要となる「飛行許可証」を取得。これにより、米国だけでなく日本においても試験飛行実施の際に、都度、国土交通大臣の許可を得ることで実証実験として飛行することが可能になるという。

飛行試験初日の様子

 テトラ・アビエーションは、2018年に設立した空飛ぶクルマを開発する東大発スタートアップである。2020年2月、国際航空機開発コンペ「GoFly」において、プラットアンドホイットニーからディスラプターアワードを受賞し、大会最終審査で賞金を獲得。その後、資金調達を行いながら販売モデルを開発してきた。

 今後まずは、個人利用としてのeVTOLから始め、購入者からのフィードバックをもとに量産型eVTOLの開発を行う。そして2025年に行われる大阪万博での飛行など2拠点間移動サービスに向けた機体をリリースしていく、としている。