2021年9月1日、Liberawareは、新たに約4.2 億円の第三者割当増資を⾏ったと発表した。引受先は、Bonds Investment Group(リード投資家)、凸版印刷、オリックス、セントラル警備保障、みやこキャピタル、DRONE FUND。これによりシリーズ Cラウンドの資⾦調達を完了し、累計調達額は9.7 億円に達した。

 Liberawareが開発した小型ドローン「IBIS(アイビス)」は、屋内空間に特化しており、製鉄業や電力業、建設業等の設備点検、構造物のデータ化において活用が進んでいる。
 また、建設現場の施工進捗管理、⼯場内の定期チェックや倉庫内の在庫管理、屋内施設巡回警備など、自律飛行型ドローンの引き合いも増えているという。
 2021年7月には、Liberaware、JR東日本グループによる合弁会社「CalTa株式会社」を設立し、鉄道・インフラ業界のデジタルトランスフォーメーションを促進するための事業展開を図っている。

 今回の資金調達では、金融業、製造業、サービス業と多岐にわたる業種の企業より出資を受けている。これにより、ドローン技術や画像処理技術の向上、IBISの増産・アップデート、自律飛行型ドローンの実用化、AI開発、海外展開の足掛かり構築を実施していく、としている。

出資者(順不同)

新規投資家
BIG2号投資事業有限責任組合(Bonds Investment Group株式会社)
凸版印刷株式会社
オリックス株式会社
セントラル警備保障株式会社

既存投資家
みやこ京⼤イノベーション2号 投資事業有限責任組合(みやこキャピタル株式会社)
千葉道場ドローン部2号 投資事業有限責任組合(DRONE FUND株式会社)

新規投資家コメント

Bonds Investment Group プリンシパル 濱田 光貴 氏

 Liberaware社は独自の技術を活かした屋内狭小空間インフラ点検企業としてグローバルに進出できるベンチャーであり、国内外で成長市場であるインフラ点検市場において高い競争優位性・参入障壁を築いています。代表の閔氏を始め優秀なチームが揃っており、点検現場の死亡事故や災害を防止できるソリューションを通して、本国全土のインフラ老朽化問題を解決できる可能性を秘めた企業です。この度の資本参加を通して当社を支援させて頂く事で、社会課題の解決の推進・貢献に寄与すべく、共に挑戦していきたいと思っております。

凸版印刷 事業開発本部 戦略投資センター長 朝田 大 氏

 次世代のインフラと期待されているドローン分野の中でも、独自の技術・ノウハウにより屋内でのドローンの自律飛行を実現し、屋内点検ソリューションとして事業化している点に魅力を感じ出資させていただきました。 Liberaware社が持つハード・ソフト両面での技術の広範な可能性に、凸版印刷が持つ技術を掛け合わせ、両社での事業機会の探索、その先の社会課題の解決を行ってまいります。

オリックス 執行役 渡辺 展希 氏

 Liberaware社のハード・ソフトの開発力と、屋内施設の生産性・安全性向上に資するサービスに魅力を感じ、今回資本参加いたしました。 当社は、屋内の様々な空間―ボイラー内部など雰囲気温度が高い空間、穀物サイロなど防塵性が求められる空間、駅舎の天井裏などの狭所空間など―の点検に係る時間の短縮・コスト削減・リスク低減と、撮影画像の3Dデータ化等により点検品質の向上が図れるドローンの開発技術・サービスを有し、それらとオリックスグループの顧客基盤・ノウハウとのシナジーにより、ドローンによるインフラ点検の社会実装を目指していきます。

セントラル警備保障 執行役員 営業本部開発営業部長 阿部 雅志 氏

 技術サービス企業を目指す弊社は、従来より最先端のセキュリティサービスの提供に取り組んで参りました。最近ではAI画像解析を搭載した防犯カメラや警備用ロボットでの新たなセキュリティサービスを開始していますが、ドローンは警備業界においても次世代の有望な分野であると考えております。既に、官庁向けアンチドローンや警備用特殊ドローン、高性能カメラを搭載した気球などの販売・レンタルを展開しており、新たに世界トップクラスの産業用小型ドローン「IBIS」を活用した設備点検サービスを開始するとともに、Liberaware社の技術力をベースに、狭小空間や危険を伴う場所に迅速に進入出来る自律飛行型ドローンを活用した警備サービスに発展させていきたいと考えております。

IBIS(設備点検型)概要

サイズ :191×179×54mm(プロペラガード込み)
重量 :185g(バッテリ込み)
飛行時間 :最大8分間
装備類 :LED照明、防塵用モーター、独自設計のプロペラ 他
活用シーン :煙突の中や配管内、ボイラー内部、屋根裏といった人が進入することのできない、もしくは進入すると危険な場所の点検や計測に活用されている。特に足場の設置が必要な現場などでは、安全面・時間面・費用面において大きなメリットがある。今後は、橋梁やエレベーターの内部、大型船舶のバラストタンクやカーゴホールドの内部等での活用にも展開していく。